GOTHIC METAL(ゴシックメタル)の館

 「ロック好きの行き着く先は…」にて連載されたゴシックメタルを纏めて…

■ Unsun - Clinic for Dolls (2010)Clinic

Clinic for Dolls 結構色々な新譜がリリースされているんだけど聴くもの多くてレビューが追いついてないってのもある。まぁ、嬉しい話ではあるけどすっかり忘れてしまうバンドなんてのもあって、それはよろしくないよなと。尤も忘れてしまうくらいの音だったってのもあるかもしれないのだが、やはり音を作る苦労がある以上聴く側もそれなりにきちんと聴かないと失礼だろ、ってのもあって、一応きちんと聴いている、つもり。ま、心構えは少なくともそうありたい…(笑)。

先月末頃に結構期待されてリリースされたUnsunというバンドのセカンドアルバム「Clinic for Dolls」なのだが、ファーストアルバム「ジ・エンド・オヴ・ライフ」が2008年終わり頃だからまだ二年目くらいのバンドなのかな。ファースト「ジ・エンド・オヴ・ライフ」が出た当時はかなり好評を博していて、確かになぁ…なんて気もしたけど自分的にはやっぱりフェイバリットになるほどじゃなかった。でもまあ名前は記憶に残ってたし音も、ん?ちとのっぺりした感じのヤツね、って記憶もあります。ポーランド出身のバンドだったかな。ルックスがモロにお人形さん的でダークっつうかゴシックっつうのか、そんな感じだった。その路線自体は好きなので今回のセカンドアルバム「Clinic for Dolls」を聴く前からリリース情報を把握していたし、その前評判と期待もかなり高かったようだ。

 ところが実際「Clinic for Dolls」を聴いてみるとですねぇ…、全部一辺倒なポップなメタルらしい感じのする歪んだ音での音で、キャッチーなフレージングが耳を引くとか、引っ掛かるリフと音が…とかが一発ではなかなか聞こえなかった。アルバム45分ある意味素晴らしくも音の波と起伏を感じることなくアルバム一曲と言わんばかりのスタイルに驚いた。駄作と言われることもあるんで、実際そうなのかとも思う反面、これはもう狙ってこの音だろ、と。そう考えると駄作ではなくて「Clinic for Dolls」のタイトル通りお人形さんの治療ですよ。ボーカルのAya嬢ってルックスがお人形さんだし、そのサイドの人とご成婚したようで、まぁ、夫婦バンドなワケですよ。んでもってこの音だから狙ってこういう変化のない感情の見せ場のない音なのかと。別にギター歪んでなくても良いだろうし、ただ売り方としてこういう路線なのか?なんてね。

 見せ方は上手いと思うんだよね。だからジャケットもインパクトあるし、前評判の高さも良いし。しかしなぁ…、多分次に聴くことって考えられない、っていうアルバム。一応4回くらい聴きまして。えぇ、それでもダメでしたから(笑)。ま、ゴシックメタル界ってのは難しい世界なんでね、どんどん派生してってほしい部分ありますよ。


■ Elis - Catharsis Catharsis - Elis

Catharsis何となく歌モノ系で女性シンガーものばかりを書き連ねている…、う〜ん、意図的ではなかったのだが、まぁいいでしょ(笑)。結局そんなことしてるとゴシックメタル色が強まってしまったので、2009年にいくつもリリースされたアルバム類をまとめてブログっているんだけどね、やっぱりそれぞれのバンドに対する思い入れってのはあってさ…、まだそんなに激しいものではないけど、やっぱり個性ってのが出てきているし、そこから先どう進むんだろ?っていう興味もあるからさ。リアルタイムの特権ですね。

 2009年11月末頃にリリースされたElisというバンドの新作「Catharsis」です。何とリヒテンシュタイン公国のバンドという珍しい来歴。そして3枚目の作品「Griefshire」をレコーディング中にボーカルのサビーネ嬢が突然死を迎え、しばし沈黙の後に新たなるボーカリストを迎えてバンドの再編を実現して期を満たしての新作リリース。今度の歌い手はサンドラ嬢ということらしいが、まぁ、それ自体はあんまりよく知らないのでここで初めての出会いです。

 「Catharsis」なのだが、バンドとしての完成度や楽曲の完成度は相当なもので、前作「Griefshire」でもかなり名盤の域に達する作品だったので、レベル感はほぼクリアー。そして新ボーカリストのサンドラ嬢の歌声も全くバンドのクォリティを下げることなく表現しているところも素晴らしいので、結果としては上手く機能しているというところだ。ただ、根本的な音楽性とか指向性ってのがちょっとブレてきたのか?前作「Griefshire」からの延長と言えば延長なのだが、1st「God's Silence, Devil's Temptation」や2nd「Dark Clouds in a Perfect Sky」で聴かれる思い切りゴシックメタルな雰囲気からはかなり変化?進化?してきていてシンフォニックなメタルになってきている。あくまでもゴシックというこだわりが感じられなくなってきて、叙情性の高いメタルという様相だ。まぁ、いつまでもゴシックと言ってられないのだろうが、ちょっと気になる。かと言って「Catharsis」のサウンドが悪いワケはなくって、凄く聴きやすいしハマれる音なんだけどね。  歌い手が変わったからこういう方向に進んでいったのか、そもそも音楽的にはメタリックな展開としていたのか…リヒテンシュタイン公国の音楽シーンなんて知らないから全く環境が分からないんだけど、ただこの「Catharsis」も素晴らしい作品というのは変わらない。う〜ん、ファンの欲望って贅沢(笑)。

 ちなみに限定盤(ボーナストラック2曲付き)が顔の表情が見えるアルバムジャケットで通常盤は横顔のヤツらしい。


■ Elis - Dark Clouds in a Perfect Sky Dark Clouds In A Perfect Sky - Elis

Dark Clouds in a Perfect Sky Within Temptationの美しき歌声と旋律、そしてNightwishのオペラティックな美声と同じくシンフォニックな曲構成というものがやはりかなり高いレベルでの象徴だということは世間の人気が証明していることであり、そのレベルでのアーティストを求めようとするとなかなか見つからないものだったのだが、小国リヒテンシュタインという国から出てきたElisというバンドにはそれを兼ね添えて持っている面が見え隠れしている。

 残念なことにアルバム三枚目「Griefshire」までの看板嬢だったサビーネ姫は29歳の若さで天に召されており、もうこのアルバムなどで聴ける歌声には出会えないのだが、それにしても素晴らしく綺麗でギターを中心としながらも楽曲レベルの高い作品を聴かせてくれるバンドだった。だった、っつっても今でも歌姫を入れ替えて活動しているとのことだが…。

 2005年にリリースされたセカンドアルバム「Dark Clouds in a Perfect Sky」ではかなりの気合いを入れた作品に仕上がっており、しっかりとヘヴィなギターサウンドを核として早いリズムの曲もあり、そしてシンフォニーの効いたアレンジも打ち出されていて魅力的な一枚。他の作品も全部聴きたくなるくらいの高品質さには驚くばかりの作品。歌声はもちろん美声でバンドとの一体感もあるのでなかなかツボにハマる。これくらいのクオリティないとちょっとキツイよなぁ、と。ジャケットも印象的なものでゴシックと一言では括れないアルバムには結構感動するね。



■ Edenbridge - The Grand Design The Grand Design - Edenbridge

ザ・グランド・デザイン  さすがに自分の好みがわかってくると一気にかき集めたアルバム群が何となく魅力なくなって見えてくるから怖い(笑)。なんとなくネットで調べてみるとああ、そういう音だったのかなぁ…とか勝手に思ってしまうじゃん。なんとかっつうバンドと似てるので…とか書いてあると、あぁ、それ気に入らなかったバンドだったなぁ…ってことはこれもダメか?とかさ。で、どんどん聴く順番が後ろに回っていく(笑)。だが、それでもいつか順番は回ってくるものなのでしっかりと聴くのだが…、意外と良いじゃないか、と落ち込まずに済んだのがEdenbridge。

 2006年リリースの最新作らしいが、その前の「シャイン」っつうアルバムがかなりの名盤だったみたいでファンは皆それを期待して手に入れたらしいが、結局ありがちな話だが前作を上回らなかったという評判…。そうか、と。更にLunaticaっつうバンドとの類似性も言われているので更にどうかなぁ〜と思ってしまったのだが…。いや、結構良いじゃないですか(笑)。確かにゴシック的な音ではなくって一般的な疾走感のあるハードロック寄りのヘヴィメタで叙情性に欠けるってのはあるが、それを上回る面白さとしてクィーンばりにあちこちで鳴り響くコーラスワーク。これが結構面白い。もちろんボーカルは女性なので多重コーラスもそんな迫力なんだけど、疾走感のある曲の中にそんなコーラスワークが入ってくるから楽しめるね。これもまたシンフォニックサウンドって言うんだろうか?はたまたピアノでしっとりと聴かせるのもあったりするんだけど、やっぱ軽いのはしょうがないかなぁ。ただギターが早弾きをバシバシやってくれてるから懐かしい感じがするのもある(笑)。

 ところでこのEdenbridgeってバンドはオーストリア出身のバンドでそれを聞くとなんとなく音の軽さに納得してしまったり…、でもなぁ、クラシックのお膝元でもあるのでもちっと荘厳さがあっても良いと思うが…、それはまぁしょうがないか。ボーカルのサビーネ嬢の歌声は結構アニー・ハスラム的ではあるのでもっとプログレッシヴな展開にするとか…、結局自分の好みにしたがってるだけか(笑)。何はともあれ初心者でも結構聴きやすい音作りとコーラスワーク、更には歌声とポップなメロディでひたすら攻め立ててくるので悪くはない。多分これもその分飽きるの早い、だろうと思うが。



■ Edenbridge - My Earth Dream MyEarthDream - Edenbridge

Myearthdream  この辺調べてみると割と新作リリースしているバンドが多くて、もちろん活動しているバンドだから当たり前なんだけどまだまだニュースとして自分が取得する情報には入ってこないことが多いので自力で情報漁りしないといけないのだよな。まぁ、それでもちょこちょこチェックしていれば面白いからいいんだけどね。そんなことでエデンブリッジっつうバンドの新作が既にヨーロッパではリリースされていて今度6月には日本盤がリリースされるっつうことで情報ゲット。ならばヨーロッパ盤聴いてみりゃいいか、ってなことでゲット。

 「Myearthdream」。基本的には今までと音的に変化が著しいワケもなく、そのままの路線なんだけど相変わらず軽快でスピード感たっぷり、しかも美しいサビーネ嬢の透明感溢れる歌声が乗っかるというパターンはそのままなので熟してきたという感じか。相変わらずヘヴィなギターをメインに疾走感溢れるヘヴィメタル路線なので聴きやすい。いつも思うんだけど荘厳さとかがもっと出てくると好みなんだけど、まぁ、そういうバンドなのでしょうがない。この軽さが聴きやすい要因で、一般ウケしているのだろうからそれもよし。

 ちなみにオーストリアのバンドで2000年にデビューしていて、割とコンスタントにアルバムリリースをしていて本作で7枚目くらいなのかな?当初からそれほど音楽性に変化はないし、ジャケットもず〜っとコンセプト貫いていてどれも覚えられないジャケット(笑)。まぁ、そういうのもありだろう。基本的にギターサウンドで構築されている音世界なのでそういう意味では聴きやすいけど、なんでだろうねぇ、ギタリスト的に興味も出てこないんだよね。いやぁ、凄く巧いし速弾きもばっちりでテクもしっかりしているのだけどさ。そして歌メロも割とメロディがしっかりしているのでオススメできるレベル。

 多分、この世界って底が浅いっつうかどれもこれも似たようになってくるっつうのが問題で、よほど実力と才能がないと何かのコピーと言われる程度になっちゃうんだよね。まぁ、それを承知で聴いているからいいんだけど、そこにはやっぱり何か重厚なモノを求めている…。その片鱗が感じられるバンドでもあるだけに期待しちゃうのかも(笑)。ライブの映像見ていると音だけの世界とのギャップが大きくて更に期待しちゃうんだけどねぇ…。



■ Lunatica - New Shores Lunatica - ニュー・ショアーズ ニュー・ショアーズ

New Shores  ヨーロッパのサウンドとアメリカのサウンドではもちろん大きく異なるものだが、ここ最近の新譜をジャンル無用国籍無用で聴いているとこれもまた面白くて、やっぱりヨーロッパのバンドの方が大らかというのか美の追究というのか、そういうゆとりの部分ってので音楽を楽しんでいるという感じがするんだけどアメリカ系のはどこかもっと退廃的で内に籠もっているっていうのか、自分達だけの楽しみ的なのが多いのかな、と。普通ちょっと逆の印象なんだろうけど、全般的にはそんな感じ。オープンなヨーロッパと周りの見えていないアメリカ、ってか(笑)。

 

 スイスから彗星の如く出てきたLunaticaルナティカというバンドの4枚目となる新作「New Shores」だが、これまでのファンタジックで掴み所のない印象からちょっとメジャー路線的に進出か?ジャケットがこれまでとは大きくことなり実態を持つものに変わった…?いや、どこか抽象的なイメージだけのジャケットだったのがなんとなく自分達を主張するようなイメージになってきたじゃない、これ。まぁ、前から掴み所のないバンドではあったけど、悪くないという印象もあったのでちょっと前にリリースされたのを見て聴いたんだけどね。

 うん、簡単に言えば女性ボーカル版メロディックヘヴィメタルってトコですか。かと行ってそれほど金属的な音でもなくって、そこがヨーロッパの成せるワザなんだろうけど、大らかで清らかに美しく、ドラマティックにゆったりと展開していくサウンド。アンドレア姫の歌声は特筆すべきってものではないけれど、しっかりとルナティカと云うバンドの看板になっている。アルバム全体を聴いていて気になるのはドラムかなぁ…。あんまり気にすることないんだけど左チャンネルから飛び出してくるハイハットの音が邪魔くさい(笑)。特徴的なのかもしれないけど自分的にはちと邪魔。まぁ、曲の話じゃないんだけどさ。

 しかし基本的には心地良く快適な清涼メタルサウンドをでして、これもまたゴシックメタルという部類には本来属さない世界だろう。嬢メタルという世界ではあるけどね。壮大な雰囲気を楽しみ、且つ歌声が気になる人にはお勧めだが、別に聴かなければいけない価値があるほどのものでもないのも事実…。



■ Lunatica - The Edge Of Infinity The Edge of Infinity - Lunatica

ジ・エッジ・オヴ・インフィニティ  恐ろしいもので多少興味を持って調べているとやっぱり人間学習能力が付くようで、ようやく色々わかってきた。どうやら最近のメタルの傾向にはかなり細分化されたジャンルがあるっつうことが解明されてきて(笑)。いや、その筋の方にはてんでちんぷんかんぷんな記事が続いたのではないだろうかと思うのだが、まぁ、聴いた素直な感想なのでよろしいじゃないですか。

 つまりですな、メロディックメタルとかスピードメタルとかゴシックとか色々と分かれてるらしいんだな。んで、よくわからないので女性ボーカルものでゴシック系のものがよい、っていうキーワードでCDを探していたんだけど紹介してあるところによってはニアリーでオススメ品なんてのもあるわけで、そうなるとゴシックからは離れた女性ボーカルのハードなバンドとかにも進出していたんだな。道理で軽くてポップなものにいくつか出逢ったワケだ。が、まぁせっかく聴いたので書いておこう、ってことで(笑)。

 今度はスイスのシンフォニック系メタル、らしい。Lunaticaっつうバンド名からしてロマンティストだと思うんだがなぁ…。うん、かな〜り聴きやすいメロディと軽快でスピーディな曲に乗せて快適な女性のボーカルが流れていく、素晴らしい出来映え。ドライブにでも流したら凄く乗れるんじゃないか?そんな感じでやっぱりヨーロッパの様式美旋律ってのはスイス的っつうトコなんだろうけど、何かが足りない。多分壮大なストリングスと凝ったアレンジ、かな。ドラマティックではあるんだけどなぁ…、いや、悪くはないので何回か聴くとは思うのだが荘厳さが欲しい自分としてはちょっと足りない。

 知らないで聴くとそういうもんなのだが、知ってて聴くとこのバンドはどんな人気なんだろ?って思ってあれこれ見ていると結構な人気を博しているワケだな。オープニングにナレーションが入ってくるのは恒例の仕掛けらしい。しかしよく聴くと結構バラエティに富んだアルバムだな。色々な曲調に挑戦しているが、ちょっと歌が一本調子かな。2作目の「フェイブルス・アンド・ドリームス」がすこぶる傑作らしいのでまた今度挑戦してみよう…。



■ Lacrimosa - Elodia Elodia - Lacrimosa

エロディア ラクリモーサっつうスイスのバンドでゴシックメタルっつうかメタルだったんだけどそこから相当進化してしまってオペラチックなものへ行き、そこから完全にクラシックと同類の世界へ進んで行ったという正にマニアの極地の世界まで自分達が進んでいってしまったオトコとオンナのユニット。正直言って最初聴いたときはこれ、メタルとかロックとか言う次元のモノじゃなくて、オーケストラシンフォニーじゃないか?って思ったくらいだ。そんなラクリモーサだが既にアルバムは10枚近くリリースされているようで、どれもこれもジャケットがモノクロで統一されたアートワークってのが面白い。相当コダワリのキツイ、ニッチな人達がやってるバンドなんだろうな…。

 2000年にリリースされた「エロディア」だが、今のところ最高傑作として言われているらしいので聴いてみた。最高傑作って言っても、多分ロンドンシンフォニーオーケストラとの共演により、オーケストラ度合いとメタル度合いが見事に調和された一枚っていう点が多いのではないかな。メタリカみたいにメタルありきでオーケストラと共演していなくて、どっちかっつうとオーケストラありきでメタルらしい音を合わせているっていう感じで、その分歌メロは非常〜に美しかったりして、オトコの歌も邪魔にはならないし、何つっても女性ボーカルの声が非常〜に哀しげな歌い方で、日本人が好きそう〜な演歌調っつうかね、暗くて哀愁漂う世界(笑)。男と女の絡み具合とドラマティックな盛り上がりの展開がもう凄くよく出来ていて、その辺ヨーロッパだなぁ〜という感じ。ドイツ語と英語の掛け合いになるらしくて、ドイツ語ってなんかゴシック的な盛り上がりに非常によく似合うので、ここでも炸裂。

 しかし、ホントにこれロックの世界なのかなぁ…。いわゆるゴシックメタル的な楽曲構成なんだけど、ギターの代わりにすべてオーケストラが入っているっていうくらいシンフォニック。ま、交響楽団とやってるんだからシンフォニックなのは当たり前だが、スイス的でいいなぁ…。でかい音でハマり込んで聴いたらこのクサいまでの美しさと叙情さには惚れ惚れすると思う(笑)。ちょっと壮大過ぎるキライはあるけどね。しかしYouTube見ると…ちと引くなぁ…、ドラキュラ伯爵じゃねぇか…。



■ Moonlight - Floe

Floe ユーロ圏と言うのは実に多国籍なバンドがひしめいていて、当然ながら民族的な個性をロックのサウンドに採り入れながら独自の解釈を見せることで幅を広げる、または独自色を打ち出すというのは常套手段ではあるんだけど、ゴシックメタルの中でもそういった独自性を打ち出すことに成功している例がある。多くのバンドはどちらかと言うとゴシック様式という音楽性を出すことが独自色だと思われている節があるんだけど、その中で更に独自の民族性を入れていくというのはなかなか至難の業でもあるし、危険でもあるワケだ。ま、一般的に、ね。で、それがまたツボにハマるバンドを発見してしまってねぇ(笑)。

 ポーランドのバンドでポーランド語で歌ってるのでちと英語サウンドとは違う印象を持つことは当然独自性なんだけど、まぁ、それで世界に出てこれるっつうことはやっぱ凄い実力だったんだろうし、その個性こそが世界制覇に繋がるんだろうなぁ。そんな邪心なしに聴いてみるとだな、これが驚き。ゴシック様式のメタルサウンドに女性ボーカルという今までの図式に囚われることなく伝統色をしっかりと打ち出していて、それは冒頭のアカペラからして印象的で、トラッドソング聴いてるんだっけ?と錯覚してしまうくらいに民族サウンドになっててさ、あぁ、こういうのってやっぱしっかり出来てて、だからこそ最初に持ってきて国民性だしてるのかなぁ、とか…。うん、それが素朴で良くてさ。途中からいつものゴシック的メタルサウンドになるんだけど、でもそれ一辺倒ではなくってかなり幅広いサウンドのセンスを持ったバンドかな。ジャケットのセンスがイマイチなのでメジャーになり切れないみたいなんだけど、音はこれ、凄い聴きやすいし綿密に作られているし、美しいし民族性も聴けてかなりよろしい作品です。彼等の三作目で最高傑作らしい。確かに新境地を開いていると聞こえるからなぁ。

 全然ジャンルが違うんだけど、メロディセンスのどこかがクランベリーズに近い雰囲気あってさ、多分それは民族性を打ち出すという部分での近似だろうね。ポーランドとアイルランドだから全然違うんだけど、なんか声質とか似てるんだよ。バックの音はもう全然違うんだけど、うん、そんな感じ。下のYouTubeで見れる映像の曲はこの世界ではかなりの名曲として知れ渡っているみたいなので聴いてみるのをオススメ。うん、日本人、こういうの好きだよ、多分(笑)。



■ Ava Inferi - Blood of Bacchus

Blood of Bacchus ワールドワイドに展開できるのが面白さのひとつでもある嬢メタル系のサウンド、いつの間にかそういう楽しみ方も覚えてしまったのだが、やっぱり圧倒的にヨーロッパのサウンドがよろしいと感じるのは好みの話かもしれん。さて、そんなことで本日は多分ここでは初登場になるんじゃないだろうかと思われるポルトガル産のバンドをひとつ…、Ava Inferiというバンドでして、歌はもちろんお姫様なのだが、ちょっとこれまでとは異質なバンドスタイル。

 2009年にリリースされた3枚目の作品「Blood of Bacchus」ですが…、これまでも毎回そうだけどジャケットからしてちょっと雰囲気が重いというもので、ゴシックな雰囲気ではなくってもっとドゥーミィーな雰囲気っつうかね、、まったくその通りの音世界を繰り広げているので見事にジャケットに反映しているとも言えるが。

 えっとですねぇ…、このAva Inferiというバンドには明るさの欠片もありません、まず(笑)。とにかくひたすら美しくダークに重くドゥームに広がる音世界の上をソプラノボイスが舞い降りてきていて、そのギャップも世界観の構築に買っているんだが、その分美しさが増すんだな。だからかなりアンビエント的な世界でもあって、早いテンポの曲などは皆無、どれもこれもブラック・サバスよりも重いリズム中心で、どっぷりとグレーな世界を構築してくれます。でもね、美しいんだよ、この世界観が。キライじゃない自分は多分暗いのかもしれない(笑)。ギターサウンドとかはもちろん歪みまくったギターなんだが、粒が揃っていて音の壁を作ってる。バンドも楽曲ももちろん凝っていてその辺は非の打ち所がないので、その辺好きな人はハマれるんじゃないだろうか。曲で雰囲気をかなり創り上げているしね。

 はて、こういうのってメタル側の人間が好むよりもプログレ側の人間の方が好むんじゃないだろうか?って余計なことを考えてしまう。間違いなく新しい世代による新しいジャンルと手法による音楽世界だけど…、凄いなこういうのが出来上がるのって。重くて暗くてダークでゴシックなんだけどBGMに向いているっつうのかさ(笑)。どこか宗教的なサウンドってのはポルトガルだからだろうか?不思議だ…。聴いていて暗〜と思うけど心地良いってのがね…。「Blood of Bacchus」…タイトルからして妙だけどなかなか聴き応えある作品です。

 いつの間にか再びゴシックメタルの世界に入っているが、やっぱ興味深いジャンルなんです。浅いけど…。それでも耽美的な世界観っつうのは面白くて、表現方法が多様なんだなぁ〜と。多分自己満足と自己陶酔とネクラが同居



■ Sundial - Transition Transition - The Sundial

Transition いつの間にか再びゴシックメタルの世界に入っているが、やっぱ興味深いジャンルなんです。浅いけど…。それでも耽美的な世界観っつうのは面白くて、表現方法が多様なんだなぁ〜と。多分自己満足と自己陶酔とネクラが同居してるっつうか、そのままか…。基本ロック好きは明るくはないハズなので、ま、それもよし。アメリカン好きな人はそうでもないか…。う〜ん、定義ってのは難しい。

 さてと、ジャケットとゴシックメタルっつう文句に釣られて聴いてみたSundialっつうバンド…の「Transition」、なんとロシア産のバンドでした。それだけでどんだけ暗いんかなぁ〜って感じだけど、何とも想像以上に深い世界観で、相変わらず細分化されたメタルのジャンルではブラックゴシックメタルっつう感じらしく、まぁ、簡単に言えばデス声と美しきピアノなんかの旋律が同居していてそこにもちろん女性ボーカルも入っているので、ここでは美女と野獣ではなくって絶望と奇跡というような声質の使われ方かな。

 世界観は素晴らしくってさ、完璧にアルバム一枚でひとつの世界を構築していてタイトルを見ているだけでもわかるように夢の世界から死の世界、更に深い夢の中から眠りへ…という感じで、しかもそれがしっかりと曲調にも表れていて、ず〜っと聴いていると美しい絶望から一筋の光明が救いを差し、そこから希望に向けて世界が広がるという作りで、全く素晴らしい。メタルとかブラックとか色々言われるが、完成度の高さは多分相当のレベルだろうね、これは。まだセカンドアルバムっつうからその力量は恐ろしい。

 歌っている女性はそもそも鍵盤奏者ってことらしく、もっともクラシックの影響が大きくバンドへの貢献度が高い、美しさを一人で全て出していると言っても良いくらいで、メタル色だけで攻め込まないのはこういう才能を抱き込んでいるからだろう。耽美的な音、と呼ぶに相応しい作品で、美しさも割とダントツなのでどうでしょ?



■ Devil Doll - The Girl Who Was...Death

Girl Who Was...Death  梅の花がちらつく季節になってきて、寒いけどどこか春がやって来てる〜っていう時期です。この冬は結局凄く寒いというシーズンはあまり多くなかったような気が…。あまり外で遊び歩いていないから寒さを実感していなかっただけだろうか?いやいや…。なんか未来を信じられる季節の今時分ってのは良いね。春を見据えていられるし。こんな経済状況の中でそんな悠長なこと言ってられないんだろうけど、ま、リアルな世界を忘れて…(笑)。

 一気に時代を超えて、オペラティックな面も飛び出してくるけどもっとシアトリカルな音世界を構築しているここ最近のジャンル分け仕切れない音楽分野。やっぱりヨーロッパに多いんだろうけど、ナルシスト的な世界で、見事に世界を表現してしまうという演劇的な分野という意味で先日のイーノと同じアプローチではあるのだ。もっとも出てくる音は全然異なるのだが…。

 スロヴェニアのグループっつうかアーティスト集団というか…、デヴィル・ドールという集団。まぁロックバンドの類に含まれるし、圧倒的にメタル要素も強いんだけど、基本的に演劇から出てきている音楽のハズで、演劇と同じくドラマティックにストーリーに合わせて楽曲の雰囲気が変化していくもの。故に曲は一曲で通されるBGMみたいなもの。喜劇的…いや悲劇的な展開かな。ハードな部分はもちろん思い切りメタルだけど、ピアノで世界観を表していたり、歌声で変化したりと、よくわかんない展開や音が鳴っているので、ホントドラマ展開。オペラティックさもあるしクラシカル要素もあるけど、まぁ、劇場を見たことある人はあれがそのままバックに音楽で表現されているサウンド、と思って下さい。

 とりあえずファースト「Girl Who Was...Death」。まったく驚きます、こういう新たな世界を創り上げている人達に出会うってのは。それももう10年前の話なんだけどさ。今から音楽に取り憑かれる人はこういうのに最初から出会えるチャンスがあるってのは良いかも。しかしまぁ、ジャケットを見事に表している音世界で、聞いているとしっかりハマれるんだけど軽々しく聞けないという意味では本来の音楽を楽しむというものではないな。創り上げられた芸術作品をしっかりと鑑賞する、というサウンドだ。3rdアルバムの「Sacrilegium」っつうのも相当の名盤として語られているようで、次回はそのヘンにもチャレンジしてみよう〜。



■ Elysion - Silent Scream Silent Scream - Elysion

サイレント・スクリーム  今やヨーロッパの経済に大打撃を与えているギリシャからもここのところいくつかのロックバンドを輩出していて、果たしてそういうロックバンドが外で稼いでくるカネはどうなるのだろう?やはりバンド関係者にはカネが入ってくるという自由経済の構図はきっと変わらないのだろうから、取り立てて高額な税金でも回収されない限り外貨を稼いで自力で生きていける人達は今こそ一大奮起するのかもしれない。ただ、祖国を想う気持ちとのバランスも出てくるだろうから一概に言えないだろうが…、今後ヨーロッパ各国で破綻が続くと一体どうなってしまうんだろう?いや、ロックバンドそれぞれの活動って意味です。まぁ、経済的な意味では日本はギリシャの倍以上深刻なワケですから…。

 ってことでギリシャのバンドなんだ…と聴いていて思ったんで、ふとそんな事を気にしてしまいました(笑)。Elysionという新人バンドの挨拶状アルバム「サイレント・スクリーム」です。ジャケットがイマイチ好ましくなかったので女性ボーカルでかなりよろしい出来栄えのメタルロック系だとは聞いていたんだけどね、ちょっと手を出し損ねていました。だってさ、やっぱ神秘的だったり美人だったりする方が先に手が出るじゃない?んなことでジャケットってのは今の時代でも自分的にはかなりチョイスする際の影響が高いんです。

 そんなことで、ギリシャのElysion、2009年にアルバム「サイレント・スクリーム」をリリースしたバンドで特にゴシックメタルってのでもなくって激しいメタルってのでもなくってどっちかっつうと普通にハードなギターが入っているロックだけど、メロディはしっかりしている歌も柔らかくて美しい声なので実に聴きやすいバンド。ジャケットのイメージも特に拘ることなく、まぁ、ハードロックに近いレベルの女性ボーカルロックアルバムで、Within TemptationとかLacuna Coilとかと比較されることが多いようだけど、宣伝的にはよくわかるんだが、Lacuna Coilではないな(笑)。Within Temptationと比べるには少々壮大さが足りないので、シンフォニックという意味ではちょっと異なる。ってことで効果音的な鍵盤とかは入ってくるし、多少のオーケストレーションはあるけど特に目立って持ってくることはない通常の4ピースのロックバンド形態。その分、楽曲レベルはかなり高いし聴きやすいので、多分何回か聴いているとそのうちハマってくるタイプだな。

 こういうバンドはDVDをドドドッと出してルックスでリスナーを引っ掛けてくれるといつの間にか良いメロディーにハマってるっていう構図になるんだけど、そこまでの宣伝費がかけられないのはギリシャだから!?いやいや…、勿体ないな…と。良い音出してくれてます、うん。永遠に残るバンドか?といわれたらそりゃ違いますが…。

Elysion - Silent Scream Silent Scream



■ Septic Flesh - A Fallen Temple

Fallen Temple  もう二月になってしまい、どんどんと月日の経つのが早く感じるようになってきた…。トシかもしれん(笑)。いやいや…。また忙しくなる時期になってきたけど一方ではまったく社会経済が潤っていないっていうのも問題ありき。まぁ、このブログ的にはそんなのあんまり関係なくて、触発される感覚と自分の理性をバランス良く保てるかどうかだけなので、適当に楽しんでもらって、且つ自分ではアレコレと感覚を磨いて完成を豊かにするのみ、と。

 さて、それでオペラティックなロックからズルズルと来たらこんなところに来てしまったのが自分でも驚きなんだが、Septic Fleshっつうギリシャ出身のバンドを知っている人は果たしてこのサイトに来る人の中のどれだけいるのだろう?自分はたまたまゴシックメタルを漁っている時にも出会ったし、今回も出会ったので挑戦したけど、普通はなかなか出会わないだろうなぁ…。

 「Fallen Temple」。うん、これね、ジャケットのインパクトが強くて覚えてたんだよ。1998年リリースの4枚目のアルバムにして今のところ最高傑作と言われることの多いアルバム「Fallen Temple」とのことらしい。最初聴いてビックリでさ。綺麗な雰囲気でいいかもなぁ〜なんて浸ってるとデス声が始まって、ん????と思いながら聴いていたんだけど、メタリックになり普通に低音ボイス中心のメタル…メタルっつってもゆったりとした雰囲気を醸し出すもので、そこから演劇的にシアトリカルな世界を広げていくともうメタルとかでは括れないサウンドに入っていく。何聴いていたんだっけ?と思うくらいに耽美な世界を楽しませてくれるのが良い。かなり驚いた。やっぱりギリシャから出てくるとかなり独特の個性を持っているな、と。

 するとまたデスなものや早いものや思い切りメタルなものが入ってきたりして、もう雰囲気に合わせた曲が優先的にあって、音がそこについていくという展開はお手の物というとこだ。浸れたら凄くハマれる世界だろうな…。古い音を追求していた自分的にはこういう新たなる展開のものって言葉じゃやっぱわかんない、と思った。やっぱ色々聴いてみると面白いのあるわ。好みの問題はちょっと後回しとしてね。