■ Unshine - The Enigma of Immortals 
なんとなくいつものパターンに陥ってしまってきているのだが、どこかで軌道修正したいな、と考えてる今日この頃(笑)、いや、ブログのことですが…、暑い日々にもなってきているのでサラリとまた違ったサウンドの世界にも突入したいなとあれこれ聴いている最中です。何が出てくるかはまたお楽しみに…ってとこで、本日はなんとなく見つけてしまった、多分ちょっとメジャーではない類のゴシックメタルバンド、Unshineです。
2008年にリリースされたらしいUnshineというバンドのセカンドアルバム「Enigma of Immortals」ですが、いつもの如く女性歌モノバンドのゴシック…正統派のゴシックメタルバンドでして嬉しいことにフィンランド出身なので気になってしまったんですね。ジャケットがかなりセンスよろしくないという印象なので抵抗はあったんだけど、まぁ、聴いてみるかね、と手を出してみました。
それがそれが驚くことにかなり極上の逸品でして、レベル高いサウンドと展開でした。スザンナ姫の歌声はかなり柔らか目の曲に合ったもので、バックのゴシックでシンフォニック的なサウンドに大して角を落としてくれる効果を持つボーカル。弱々しいかと言えばそうかもしれないけど、そういうのってゴシックメタルの世界では結構好かれるだろうし、そのバランスが良いんだろう。思い切りドラマティックな展開っていう曲は多くはないけど、結構シンフォニックに根ざしたサウンドなので聴きやすいし、楽しめる。名曲の域に達している曲がちょっと少ないけど全体のレベルはよろしい。初期のWithin Temptationみたいなもんかね。
フィンランドだからってのもあるんだろうけど、しっかりと哀愁ただようメランコリックさは全編に渡って貫かれていて日本人はこういうの好きだろうなぁと。雰囲気と効果音なんかも割と練られているのでもうちょっとプッシュされたら良い線まで行くんだろうなと思わせるレベルと思うけどどうだろ。確かに「」を聴いてその前のファーストアルバム「Earth Magick」を聴こうという気にすぐならないってのはその辺の魅力の問題だろうか…。それでも4曲目の「Catherine his beloved」なんて壮大な楽曲だったりするので気になるところ♪
The Enigma of Immortals
Earth Magick
■ For Selena And Sin - Primrose Path
自分の好きな感じのゴシックメタルってのが段々わかってきたかも(笑)。もっとも無茶苦茶たくさん聴いてみないとわからない世界だったので、つまらないものも良さ気なモノも相変わらずひとまとめに聴いてからの話なんだが…。結論的にやっぱりフィンランドのゴシックはレベルが高い、のではないかと。ゴシック度合いが高いというのかメランコリックな雰囲気とあくまでもミドルなゴシックというのが雰囲気を醸し出していて好きなんだな。
ってなことで、フィンランド出身のFor Selena And Sinというバンドの2009年にリリースされた2枚目の作品「Primrose Path」です。別に1st「Overdosed on You」というのを知っていたワケじゃなくて…、最近リリースされたFor Selena And Sinの2nd「Primrose Path」が良いというのを何かで読んだから聴いてみたワケでして、故に深いことはよくわからん。ただ、相当に好みな音だった、ってのは確かだ。こういうメロディと雰囲気はフィンランドだから出せるワザなんだろうか?多分そうなんだろうと思う。フィンランド産のバンドって何故か好きなの多いしねぇ…。
そんなFor Selena And Sinの「Primrose Path」だが、ジャケットが表す世界観を崩すことなくミドルテンポで重すぎることなく更にAnnika嬢による艶めかしい歌声が舞っていくという代物。キメだらけのゴシックメタルではなくってもっと起承転結のしっかりした作品が多くて、ヘヴィなギターが垂れ流しとなる音じゃないんで、よく出来てる。ドラマティックなんだな、そのヘンが。だから飽きないし、それでまだ2枚しか出していないバンドっつうのもレベル高いわ。ちょっとナルシスト入り過ぎてるかもしれんけど(笑)。
こんだけ仰々しいアレンジでアルバム一枚を占めるっつうのも大物の証?それくらいに楽しめる「Primrose Path」ではあるが…、何だろ、もっともっと発展した世界を期待してしまうのは贅沢?
■ HB - Frozen Inside 
メタル帝国フィンランドには本当に実力のあるバンドが山のようにいるんだろう。その中でも一握りのバンドが世界を相手に出てこれるというシーンを想像すると、やっぱり出てきたバンドはかなりレベルが高いワケで、聴かずに捨ててしまうってのはちょっと勿体ないかな、というのがワールドワイドに出てきたバンドに対するモノの見方のひとつです。別に音楽なんて好みで聴くものだからどっちでも良いんだけどさ、やっぱやる側としての意思もわかるから、そういう聴き方もしてしまうのかもしれん(笑)。
既にバンドのキャリアとしては古い部類になっているらしいフィンランド産のHBと云うバンド。今回紹介する「フローズン・インサイド」は彼等としては三枚目の作品で2008年にリリースされたアルバム。今現在で既に次の4枚目の作品がリリースされているワケでして、結構速いペースでバンド活動を展開しているバンドなのに日本ではようやくこの「フローズン・インサイド」で紹介されるというものらしい。別に日本デビューなんてあまり気にしてないとは思うし、聴く側も日本盤なんて期待してないだろうからどっちでも良いんだけど、なんとなくボーナストラックだったりライナーだったりを期待しちゃうもんだからね(笑)。
さてこのHBというバンドの「フローズン・インサイド」だが、素晴らしい。クリスチャン達によるゴシックメタルでお嬢様の歌声なので、言い方を変えれば正に天使が歌っているメタルってことになるんだが(笑)、それに近いくらい至上のメタルを繰り広げてくれる。こういうバンドのレベル差ってのは一体どういう所で出てくるのか、間違いなくメジャー級のクォリティを持っているバンドだもん。歌声やコーラスワークはもちろんのこと、アレンジはシンフォニックな展開で全く自分の好みだからだろう。ピアノとオーケストラとヘヴィなギターでうるさくないし、心地良い。うん、こういうのを求めていたって感じだな。やっぱりフィンランドって国は日本人気質と合うところが多いね。メランコリックなメロディを持つバラードはもちろんのこと、ハードな曲でもしっかりとツボにハマる旋律で良い。特に「Holy Secret」や「Frozen Inside」という楽曲群が素晴らしい…
。 ちょこっと調べてみるとライブアルバムとかも出ているようで、精力的に活動中とのことだがどこまで手に入れられるかなと。そういう探し方もこれまたマニア的には面白いところなのでちょっとチェックしてみよう…。
■ Katra - Out of the Ashes (2010) 
う〜、これでもか、っていうくらいに私を見て、って言うジャケットに釣られて引っ掛かってみましたこのKatra嬢に。ま、Katraってバンド名なんだけどさ、ちょいと前に「Beast Within」っつうアルバムでワールドデビューしたんだけど、その時も私を見て、っていうジャケットで釣られた記憶があるので、きっと彼女はそういうキャラクターなのだろう。それだけの美貌があるという事だろうし、それに釣られてしまうリスナーもいるのだから良いことじゃないか。こういうのの発展形が萌えな世界なんだろうな、きっと(笑)。
冗談はさておき、ジャケットのインパクトに乗せられたのは事実のフィンランド出身のゴシックメタルともシンフォニックメタルとも呼ばれるフィメールメタル系のKatraの新作「Out of the Ashes」。ネット上での噂話を見ている限りは皆ジャケットに釣られて、また「Beast Within」の頃の作品という伏線もあって聴いている人が多いけど、印象を裏切る音ってことで評判がそれなりになっている。ま、そんなのは自分で聴いてみて判断すりゃいいことだから惑わされてはいけない。とにかくこのジャケットに惹かれたのだからそういう先入観で聞いてみようじゃないか。何と言っても前作「Beast Within」を事細かに詳しく覚えているワケじゃないから比較も頭の中の印象だけだ。なんとなく中途半端でオリエンタルなのかシンフォニックなのか…というイメージしか残っていないけど、それも定かじゃないからいいんだ、それで(笑)。
いいじゃないですか「Out of the Ashes」。何もトゲトゲしくなる必要もなく自然な音のハードロックっつうかメタルで正に2010年代の音じゃないか?リズムも凝ってたり音もアレンジも斬新だし、歌はもちろん伸び伸びと上手く歌い上げているし、しっかりと聴かせることも出来る実力もある。曲の起伏も出来ているから聴きやすいしね。名盤か?と言われればそりゃそこまでの域には達していないような気がするけど、今後こういう路線に走って行くのなら良い布石になるハズ。あとはどんだけファンを付いて来させることが出来るかかな。ライブとかプロモーションでキャラクター売るとかね。そうじゃないとやや軟弱になったと思われる気もする音なのかもしれない。自分的には結構好みの音だけどね。
…と言ってもどんなバンドなのか、とか名前が言えるほどのバンドじゃないから説得力はありません♪ただね、聴きやすいしキャッチーさも意識しているし美貌もあるしいいじゃないですか、この音♪
■ Katra - Beast Within 
新たなるサウンドに飛び込むとき、もしくは何か気になる時ってのは大体ジャケットで選んだりすることが多い。もちろん今時なのでネットであれこれ誰かが書いた感想みたいなのを読むのもあるけど、レビュー読んでから聴いてみようというのよりもジャケット見てどんなんだろ?って気になってレビューを読むことが多い。それで結局聴いてみないとってことでYouTubeとか行けば良いのに何故かそこではあまりサンプル聴きしない自分。音悪いからかな。音悪いと良いものも良く聞こえないってことあるので、YouTubeで最初に聴く、見るってのはあんまりないかなぁ。でも、ひとつの手段だからやっぱり使うけどね。
Katraっつうバンドのこないだリリースされたワールドワイド向けアルバムとしては一枚目の作品「Beast Within」。この前に自国フィンランドでは同じようなジャケットでフィン語でのアルバムがリリースされていたみたいだけど、英語にし直して楽曲もリメイクや新作を詰め込んだ世界に放つ作品として仕上げている。なんつっても叶美香さんのような女性が前面に写し出されたアルバムジャケットを見ればやっぱり気になるでしょう(笑)。如何にも私を聴いて、と言わんばかりのジャケットなので女性ボーカル好きの自分としては素直に聴くワケですな。最初は別にゴシックなメタルだとかも知らなかったので、ポップスでもいいか、ってな気分だったんだけど、しっかりとその筋のメタルサウンドだったので驚いた。例のユーロビジョンコンテストにも出場したらしく、その際にNightwish似のバンドと評論されたようで、ターヤのいなくなったNightwishをイメージさせるバンドならば、ってことで話題になったらしいが日本では全然情報がないなぁ…、と。
サウンドはね、確かにNightwish的なオーケストレーションとハードなギターに加えてソプラノボーカルが宙を舞うっつう感じではある。ボーカルのカトラ嬢の歌声も見事にソプラノボイスで確かにターヤ云々と言われる部分はあるけど、あそこまでじゃないから普通に巧いボーカルってトコかな。ウィズンのシャロンに近いかもしれん。ま、いいじゃないか、どちらにしてもそれくらい綺麗な声だってことで。ルックスはジャケットが証明しているワケだし(笑)。バンドサウンドは如何にもゴシックメタルって感じだけど、ちょっと一辺倒な部分もあって音楽的な幅の広さが今後の課題、っつうか深みも必要だな。フィンランドなんだから素直に作ればメランコリックに出来ちゃうと思うんで是非頑張って貰いたいバンド。鍵盤があまり目立たない普通のメタルサウンドに近く聞こえる曲が多いのは古い曲なのかな。ま、それでも面白い聴き所は満載なのでよろし♪
いや、これさ、Within Temptationって検索してたりするときにアマゾンなんかだと関連バンド出てくるじゃない?そこで出てきて気になってクリック、っつうパターンなんだよね。アルバムタイトルが「Beast Within」だから余計に引っ掛かるワケさ(笑)。おかげで良いモノに出会えました。
■ Amberian Dawn - The Clouds of Northland Thunder
ナイトウィッシュにターヤが在籍していた頃ナイトウィッシュは唯一無二の個性を発揮していたバンドで、壮大なクラシカルな要素を持つパワーに満たされたメタルバンドでありながら、ターヤの持つソプラノボイスが全てを説き伏せてしまう圧倒的な雰囲気を持っていた。しかしターヤはナイトウィッシュを脱退し、ソロ活動ではかなり落ち着いた音を歌っているし、多少メタルなものでも楽曲群のレベルの問題もあり、なかなか昔のナイトウィッシュの世界観を表すことは出来ない。一方の現ナイトウィッシュではアネット嬢による普通のゴシックメタル的バンドになってしまっていて、昔のナイトウィッシュの世界を再現することは難しくなっている。
The Clouds of Northland Thunder
River of Tuoni
アンベリアン・ドーンのセカンドアルバム「ザ・クラウズ・オヴ・ノースランド・サンダー」がつい先日リリースされた。簡単に言えば昔のナイトウィッシュを彷彿させるソプラノボイスにクラシカルなメタル楽曲がくっついているバンドなので、古き良きナイトウィッシュを求める輩には非常に好反応。もっとも楽曲レベルの違いや歌の違いはあるんだけどさ、なかなか悪くないよ。簡単に言うと鍵盤よりもギターが目立つバンドの音で、クラシカルな構築美もあと少し、ってなところだけど背景的にはきちんとした音楽教育を受けた人物によるバンドなのでこれからが楽しみ。ボーカルのヘイディ嬢は赤毛でまぁまぁの美人(笑)、はともかくターヤ的な歌声だけどちょっと細い感じはするが、声は良く出ているのでよいんじゃないか。
楽曲にしても良く練られている部類だからアルバムを通して聴いても飽きることはないけど、ちょっと一辺倒過ぎるキライはあるかもしれない。バラード曲の「Willow of Tears」なんて聴いていると全くターヤと一緒だなぁ〜なんて気がするけど、それ最初の曲からしてそうだ。まぁ、そういう売り方もありなんだろう。本人達がどこまで意識しているかってのはわからないけど、アンベリアン・ドーンというバンドもフィンランド出身だからナイトウィッシュを知らないハズがなくって…、まぁ、そういうことだ。
この手のバンドってボーカルによるバンドの支配度によってバンドのカテゴライズが変わるんだろうな…。音はパワーメタルとかクサメタルとか言われる部類らしいけど、ボーカルがソプラノボイスなのでイコールナイトウィッシュとなるとゴシックメタルに分類される部分もあるし…。まぁ、カテゴライズは難しいのでよくわかんないけど、結構ポップなメロディも感じさせることがあるバンドなので面白いかな。
■ Memoira - Memoira 
ちと春らしき予兆がする中、女性歌モノを聴いてしまって最近では何が出ているのだろう?なんて気にしたらオシマイ。アマゾンのオススメ辺りをタラタラと辿って片っ端からサンプル聴いたりDLしたりと見ていると新作はどんどん出ているし新人バンドも続々と出ているし、まだまだ売り手市場なんだろうか、それとも短命なのは分かっていてゾクゾクと出してくるのか、はたまた日本のアイドルと同じようなレベルでメタルバンドが出てくるのか…、現地にいないとわからない状況ではあるが結構不思議。北欧ってのはやはりどこか神秘的だ。
そんな中の一枚を発掘。Memoiraっつうフィンランドのバンドのデビューアルバム「Memoira」。リリースは2008年秋頃らしいので知ったのが随分遅いってことになるんだけど、ま、しょうがない。常日頃から追いかけているジャンルでもないので情報不足なんですよね、こういうのって。かと言って人に教えられたら聴くってもんでもないし、結局纏まった時間が取れるかどうか、か(笑)。
それでだ、このMemoiraっつうバンドなんだけど、もちろん恒例の女性ボーカルが歌った美しきメタルなんだな。イントロの美しさから結構一気に聴けるくらいに楽曲レベルが高くてしっかりしている作品なので、これからも期待できるんじゃない?この手のバンドを聴いていてもなかなかここまでレベル高いのって多くはないから良いと思う。歌はメランコリックなメロディはもちろんのこと声質にしても歌にしても割と分かってらっしゃる。バックもかなり重厚な作りで、ギターはちょっとこの手のバンドの音色とは違うんだけどエッジが立っていてよろしいし、ソロも割と弾きまくっているので好感が持てる。鍵盤で全体をくるむ手法なんかもシンフォニック感漂ってて聴きやすいし、印象的なメロディを奏でる曲もいくつかあって面白い。ピアノ主体の曲なんかは凄く綺麗な旋律でポップ感も持ち合わせているので頼もしいよ。
楽曲構成にしてもきっちりと盛り上がりを見せる作りになっていてそのヘンはセンスなんだろうなぁ…。巧いもん。どの曲も割と捨て曲ないし、デビューアルバムとは思えないくらいの音は面白い。まぁ、所詮はゴシックメタルと呼ばれる範疇内ではあるけどね。一曲だけ男の歌声で歌われているけど、それはそれで…。あ、デス声ではないので普通に聴けます。ジャケットの鋭い眼光を持つ女性と現実にはかなりギャップがあるが…。
■ Lullacry - Be My God
フィンランドから出てきたLullacryなるバンド、こちらも美しき女性の歌声をフューチャーしたバンドなんだけど、あんまりゴシックメタル的な音ではなくってもうちょっと女性ボーカル版ハードロックという感じで、壮大なるシンフォニックさや重さっつうのとは割と無縁なバンド。フィンランドっつう国は結構ゴシック系やメタル系がたくさん出てきていて、割とそういうのが盛んだということらしいんだけど、女性ボーカルでハードロック的に歌うとそういうジャンルにカテゴライズされてしまうのかな。自分でも適当にそういう類のモノ、ってことで探して聴いてるので当たり外れあるもんな。
2001年発表の二枚目らしい。ジャケットからしてゴシック系じゃないよな…。かと言ってハードロック的な感じもしないので単なるアイドルを聴くような感覚なのだが(笑)、いや、しっかりとハードロックです。割とスピーディで疾走感溢れたハードロックを女性が歌っているというような感じで、かなり聴きやすいですな、これは。まぁ、かと言って珍しい音を展開しているワケでもなくってあくまでも普通にハードロックをやってるもので、昔みたいにギターソロが劇的に凄いとかはないし、曲もプログレッシヴに展開するもんじゃないし、どこか特徴の掴みにくいバンドではある。まぁ、メロディがもう少しフィンランド的になってきたら面白いかな、と思うんだが。
どうやら彼女、このアルバムでバンドを辞めてしまったらしくて三枚目の「Crucify My Heart」からはまた別の女性が入ってアルバムをリリースしているが、そっちの方が完成度高いとか…、まぁ、流して聴くのはいいんだけどがっちりとハマって聴くバンドかと言われるとそうでもないのかなぁ。難しいなぁ、この世界は(笑)。
■ Tears Of Magdalena - Myths and Legends
これから三月にかけては何故かゴシックメタル系のバンドの新作が続々とリリースされるようで、これもまた楽しみだが、果たして違いがわかるのか?自分(笑)。でも多分全部聴くんだという気がしているんだけど、そろそろこの辺の世界もあれこれと語れるくらいに詳しくなってないといけないよなぁ…。音聴いてバンドの名前がわかんないのも問題でしょ。もっともそこまで個性的なバンドが少ないってのもこのジャンルの哀しい性ではあるんだが…。
2008年にこれもまたメタル王国フィンランドから出てきたTears of Magrarenaっつうバンドの作品「ミスズ・アンド・レジェンズ」。もうねぇ、ここまで来るとジャケット見てもわかるけどメタルなのかファンタジーなのかアニオタの世界なのかよくわからんけど、ちょっとそういう世界観なんだろうね。そういうのもまた新しい出会いってことで良いんだけど、なんか…レコードだったらかなり恥ずかしい気がする(笑)。
…でもね、音は割とシンフォニックでメロディックなのはフィンランドだからかな。一般のレベルは軽くクリアーしている楽曲レベルでキャッチーさもかなりのものだし、聴きやすいメタルってのも出来ている。楽曲も割とバラエティに富んでいて一辺倒じゃないから音楽的には結構なバンドだ、これ。そしてかなりの高音ソプラノボーカルの女性でもあるバンド名の主、マグダレーナ嬢…ルックスはイマイチだが、声は本格的なクラシック声楽のソプラノ。自身でシンセやバイオリンも弾くようで、これもまたさすがにクラシック畑の人。バイオリンでは結構民族的なメロディーを弾いていたりしてちょっと変わった味付けが面白いかな。しかしなんでまたこんなメタルやってるのか…、多分フィンランドでは彼女が生まれた時からメタルが普通に流れている街なのだろう。
よく言われているのがナイトウィッシュフォロワー。うん、わかるんだけど、そこまで楽曲の起伏が激しくないし、キメのテクがちと弱い。あとバンドがもう二皮くらい剥けないと辿り着かない世界じゃないか?もっともファーストでそれを言ってもしょうがないけどね。そしてデス声がアクセント的に入ってくるんだけど、見事にソプラノボイスと明暗をつけているのであまり邪魔にはならないところも良い。相変わらず聴いていると笑ってしまうが…。
しかし既にバンド名の看板でもあったマグダレーナ嬢が脱退してしまったとか…。
■ Velcra - Consequences of Disobedience
聴けば聴くほどにロックという器の広さを実感する…、それはもうすべてのジャンルに当てはまることなんだろうけどさ、ひとつ何かネタとなるサウンドがあるとそこから更に発展したり何かと組み合わせたりという試行錯誤というか何でもありっつう実験が若い世代によってどんどん試みられていくっていう構図。中にはパフュームでわかるように売り手が意図的に創り上げるサウンドってのもあるけど、それだってやっぱり若い才能が試していることであって、古くからの音楽家はやっぱり淘汰されていってしまうのかな。そう考えると長寿バンドってのは何かしら尊敬すべき所が多いってことだ。若いウチは組み合わせや複合技が才能だと思っているからいいのかもしれないな。
いやぁ、そういう意味では典型的だなぁ〜と思ったのがこのバンド、Velcra、ヴェルクラって読むんだろう。何かと自分も好きなフィンランド出身のバンドで、なんつってもこのアルバム「Consequences of Disobedience」のジャケットのインパクトが聴くきっかけだね。可愛い顔してピストルの銃口をこっちに向けてるっていうアンバランスさ、っつうかどこかブレードランナー的な…、ラン・ローラ・ラン的な、トレインスポッティング的な…うん、そういう感じでね。気になったので、まぁいいかと聴いてみました。 おぉ〜、これはこれは驚いた…、女性ボーカルによるインダストリアルメタルサウンド?いや、どういうのがインダストリアルなのかよくわかってないけど、デジタルビートをメタルサウンドに持ち込んだものっていう認識で、どこか無機的な音っていう意味なんだろうけど、簡単に言えばデジタルビート的メタルサウンドにラップの歌を持ち込んだというか…、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの女性版…が知ってる中では近いのかもしれん。まぁ、そんな感じなんだけど、凄く驚いたのはそのジェシー嬢のパワフルな歌声、ラップ声。ただし要所要所ではしっかりと北欧メロディーが歌われていて、しっかりと狙ってこういうのをやってるんだな、というのがよくわかるんだよね。もの凄くインパクトのあるアルバムだと思う。
冒頭に書いた文章はね、このバンド、Velcraがこの後に辿った道なんだが…、いや、このアルバム「Consequences of Disobedience」は2002年の作品で、昨年かな、三枚目の作品「Hadal」がリリースされた頃にはもはやインダストリアルメタルというカテゴリに属さないようなサウンドに変貌しているらしい。まぁ、ゴシックに近づいたってとこで、そういう面では割とクオリティの高い作品らしいのだが、往年のファンからすると「え?」ってモンらしい。まぁ、早くも変貌を遂げているってのは時代に敏感なんだろうけど、今後の自分達の音楽性ってのはどうしていくんだろうねぇ?と言うところが悩ましいトコなんじゃないかと。 ま、それでもこのファーストアルバム「Consequences of Disobedience」のインパクトの強さは確かに驚くものもあるし、まだまだサウンドの未来は明るいっていう光明を差してくれている気がするもん。そこら辺のヘンなの聴くんだったら絶対この方がロックの激しさを持ってるね。そういう音。
■ Sinergy - Suicide by My Side 
あ〜、夏休み欲しい〜。一ヶ月も休めたら最高に何でもできるしどっかへ逃げる♪ なんかもうあれこれ面倒だなぁ〜と言うことが増えてきて基本面倒くさがり屋なので、どうでもいいや〜みたいに思ってしまうのだな。好きなことには一途に邁進してしまうので何でも、ってことはないんだけど、基本、メンドイのはメンドイ。ま、それ言ったらこのブログもよく続いているっつうか多分意地?いやいや、それはないけど、本人なかなか楽しんでるから良いのだ。しかし、そんな気分の時にたまたま流れ的に、結構スカッとするアルバムを聴いてしまったので、これはよろしいってことでこちら。
シナジーっつうメロディアスヘヴィメタルバンドらしいが、その三枚目にして今のところ最新作…2002年にリリースされたんだけどね。 「Suicide by My Side」
ここまで来るとゴシックメタル好きからはかなりかけ離れてしまって…、このバンドに辿り着いた経緯はいくつか…。まぁ、一番大きいのはナイトウィッシュ絡みだろうなぁ。ナイトウィッシュのベーシストであるマルコ・ヒエタラさんの歌が結構野獣的で面白くて好きなので、こんだけ歌える人って何やってたんだろう?って思って調べてみるとシナジーが出てきたりタロットが出てきたりするんだよね。んで、今度はシナジーって何?って調べてみるとチルボドのギタリストの奥さんが歌っているバンドってなことで、女性歌モンのメタルなら面白そうだな、と。それがキンバリー・ゴスという女性。
ところがこのキンバリー・ゴスの歌と来たらこれだけの早くて流暢なヘヴィメタルバンドをバックにしながらまるで男並みの迫力で楽曲を歌い上げてしまうくらいパワーのある歌で、女の声ってのを全然意識しなくて聴けてしまう代物で、ある意味そういうのを期待していた自分的にはちと違うんだけど、これがまた凄いヘヴィメタでさ、早いし美しいし、巧いし、メロディーもしっかりしてるしってことでちとうるさかったけど、いいかな、と。あ、話逸れてるけどナイトウィッシュのベーシストのマルコはここでは割とベースに徹しています。まぁ、夫婦二人がフロント取ってたらあんまり前には出てこれないだろうねぇ。しかもキンバリーさんのあのガタイではちと恐れおののくなぁ…。
で、このバンド面白いことにどうやらアチコチで活躍しているバンドのメンバー達から構成されていたがために皆が売れて忙しくなるとシナジーとしての活動が出来なくなってしまうらしい(笑)。ナイトウィッシュが忙しくなったマルコはいつの間にかクビになっているとか…、じゃダンナのアレクシはいいんかい?ん〜、まぁ、やっぱり円滑な人間関係こそがバンドの秘訣ですな(笑)。
■ Sonata Arctica - Silence
前々から細分化されすぎたヘヴィメタというジャンルのそれぞれには手を出してみようかと思ってはいたんだけど、やっぱり何曲も連続で聴いていられないだろうってのもあって二の足を踏んでまして(笑)。特に滅茶苦茶速いのとか、疲れるし、と思ってたんだけどね、さすがにこんだけ新しいのに手を出して見ると今では割とすんなり聴けるようにはなってきたのだ。なのでちょっとアチコチに手を出して…なんて思ってるけど、いつまで続くか(笑)。
その手のバンドの代表格でもあったソナタ・アークティカ。初期二作の評判が高いってことで二枚目の「サイレンス」をまたまた聴いてみます。
…速い。無茶苦茶なくらいの速さなんだけど、歌がえらくメロディックな旋律で声もつぶれないでしっかりと高音域で歌えているのでさすがにかっこよい。フィンランドのバンドっつうので既にポイントが高いんだけど、凄いな、これ。こんだけのスピードとメロディがマッチしているのもセンスだけど、メランコリックなミドルテンポの曲なんかもしっかりとよろしくて、唸らせるものがあるもん。ギター的にもザクザクとしてメタリックなリフ構成も心地良いが、ソロも上手いねぇ〜、もう凄いハイテクをどしどし使ってくるテクニックの向上ってのは時代の流れか。
鍵盤の旋律とギターを掛け合わせるとか、楽曲の主体が鍵盤にあって、メタリックにしているとか、そこにスピードを入れるとか…、何か昔じゃ考えられなかった展開とか組み合わせってのが新世代の強いトコロなんだろうね。代表格として崇められるだけのバンドってのがよくわかる。何回か聴いているとメロディを覚えてしまえるんだもん。スカッとする心地良さは天下一品だな、これは。凄い。