GOTHIC METAL(ゴシックメタル)の館

 「ロック好きの行き着く先は…」にて連載されたゴシックメタルを纏めて…

■ Whyzdom - From the Brink of Infinity Whyzdom - From the Brink of Infinity

From the Brink of Infinity Whyzdomまずはフランスから2009年に出てきたWhyzdomというバンド。もちろん女性ボーカルのテイラ嬢によるシンフォニックなメタルバンドで、超個性なのはさすがにヨーロッパ産と唸らされる価値のあるクワイヤ=コーラス=オペラティックな世界とシンフォニックさ加減。荘厳な世界を新人の最初のアルバムにして仕上げている。これはもうバンドの意向とプロデュース側の意向が同一直線上に並んで出来上がった代物に他ならないもので、圧倒的な世界レベルでの作品を創り出しているとしか言えない、それでこそ世界レベルのバンドとアルバムなワケですよ。

 「From the Brink of Infinity」という作品で、最初からクワイヤとシンフォニックを体感できます。ちなみに終盤にはプログレマニアにも喜ばれる「Daughter of the Night」と称された組曲が表れてきましてですね、それがまたしっかりと気合いの入った荘厳なクワイヤと楽曲なんですよ。もっともそれに限らずどの曲も尊厳さに溢れているんだけど、しっかりと鍵盤やクワイヤだけに頼らずにギターもヘビメタしてて、ソロなんかも気持ち良く入ってくるので、その辺りが好きなヤツがしっかりとやってるという印象。これからも壮大な作品を生み出すことを期待しているんだが、どうだろう。  このファーストアルバム「From the Brink of Infinity」の評判も上々と聞くし、ヨーロッパのフェスでも割ともてはやされたようなので来年あたりには来日するか?

 やや弱点はボーカルのテイラ嬢の歌が少々上手くないってことくらいか(笑)。まぁ、そんなに気になるほどではないけれど、これから上手になっていくことでしょう。ジャケットのイメージそのものがバンドのイメージとして捉えられる秀作。


■ Heavenly - Sign of The Winner

Sign of the Winner   進化するヘヴィメタルというジャンル…追いかけてみると色々あるよなぁ〜と感嘆符です。今までは正統派の昔ながらのメタルか、まぁ、ゴシックメタルくらいだったけど、いつの間にかメロディックなのとかパワーメタルと言われるものとかクサメタルっつうのまで手を出していたらしい。そんなことで、それならばどんなもんかその差を聴いてみるか…と手を伸ばす。しかし、いいのか、これで?などと疑問符を感じながら…。

 2001年にリリースされたヘヴンリーというバンドのセカンドアルバム「Sign of the Winner」にして最高の作品として書かれていることが多い。しかも全編壮大でシンフォニックで盛り上がりの曲ばかりというテンションの高さってことで…。まぁ、気になった、というかどんなもんかと。

 すっかり忘れてたけど、女性ボーカルじゃないと普通にメタルなので、ちょっと疲れたな…。確かによくできたクサいメロディと旋律と圧倒的なコーラス(クワイア)とかシンフォニックに出来上がっているんだけど、まだ昔のメタルらしい部分も感じるので、なるほど…その辺の香りがするワケね、と納得。楽曲はよく出来てるし、さすがに好評なだけあって凄い展開だったりボーカルだって思い切り熱唱して心地良い。バックの音もしっかり速いメタルで、ここにはオタク的な要素はあんまりないけど、ジャケットがやっぱりそういう側面を出しているので、ちょっと…。

 でもね、聴いてみて思ったけど、自分的にはあんまり何度も聴くモンじゃないらしい。なんでだろうね。ちょっと一辺倒というかヘヴィメタル的すぎるっつうのかな、こういうメタルってあんまり好まないし、聴かなかったからやっぱりダメなんだろう。その辺の差って何か、ってのはよくわからんけど、まぁ、そういう音があってもいいんじゃない。あ、でも、何曲かは気に入ったのあるので全編じゃないけどね。

 ハロウィーンとかガンマ・レイの模倣バンドとも言われているようで、そのヘン二つとも聴いてないのでわかんないけど、多分自分がほとんど好まないカテゴリのバンド群なので、これも多分そういう類に入ってしまうのだろう。ただ、せっかく聴いたのでメモっておく意味でもここに書いておくってのもアリだし♪ちなみにフランスのバンドです。



■ Fairyland - Of Wars In Osyrhia

オヴ・ウォーズ・イン・オシリア シンフォニックで美しいメロディとメタルカラーでしかも女性ボーカルで、壮大でコーラス隊もオーケストラも加えてメリハリの効いたサウンド…すなわちラプソディがその筆頭ではあるんだけど、当然ながらフォロワーも出てくるワケで、しかしってもそのフォロワーって相当な事じゃないと出来ないだろ?とも思うんだけどさ、しっかりと出てきていたワケでして、これがまたとんでもない世界を構築しているという…。

 ラプソディがイタリア産に対し、このフェアリーランドはフランス産。フランスでもこんだけ壮大なメリハリのついたのって出来るんだ…とちょっと驚く。しかもギターだってとんでもなく速く弾かれていて凄いテクニックだしさ。何となく壮大さとかクワイア部隊の荘厳さとかはわかるんだけど…、しかし完全にフォロワーの域を超えて跡継ぎと言っても良いくらいに同じような音です。こっちの方が壮大かもしれない(笑)。各楽器が際立っていないっつうか、全部が攻めてくるっていう感じで、音の洪水。シンフォニックを通り越した世界だもん。

 あ、2003年にリリースされたファーストアルバム「オヴ・ウォーズ・イン・オシリア」です。ボーカルが決まらずに結局Dark Moorのエリサ嬢が歌っているというものなんだけど、これがまた超スピードメタルな中で歌っているので正直男でも女でも大した違いはない…。不思議なのはこんだけ音が詰め込まれていてスピードメタルで迫ってくるのに音が軽いってことだ。だから聴きやすいんだけど、その分印象に残らないんだよな。曲は凄く良質なのわかるし演奏テクも凄いのわかるんだけど、その辺が難しいなぁ…。インギーとかを好んで簡単に覚えれる人は大丈夫だと思うけど、自分的にはちと大変。それでも面白くてちょこちょこ手を出してしまうジャンル(笑)。多分しばらく聴いて離れると思うけど…、でもさ、こんだけ進化してるのはホントに聴いていて面白い。

 もう一枚「ザ・フォール・オヴ・アン・エンパイア」という作品がリリースされていて、更に遡るかのようにこの「オヴ・ウォーズ・イン・オシリア」のデモテイクが元のバンド名義でオフィシャルサイトでリリースされていて、そっちもなかなか面白い。こんだけのクオリティを作れるんだから新作出たらまた聴いてみたいって思う人多いハズ。



■ Fairyland - Score to a New Beginning

スコア・トゥ・ア・ニュー・ビギニング  クラシックとメタルの融合というサウンドってのも色々あるんだよなぁ…なんて2009年新作群を聴いている中で思うモノだ。フェアリーランドってフランスのバンドを前にも紹介したことあるんだけど、こいつが三枚目のアルバム「スコア・トゥ・ア・ニュー・ビギニング」をリリースしたので、まぁ、前回聴いた時にこういうアニメ音楽みたいな世界って面白かったし、その中でもラプソディを筆頭とするトップクラスに肉薄するってことでフェアリーランドは興味深かったので、おフランスってのもあってね、聴いてみたワケですが…、これもまたクラシックとの融合だよな、と。

Fairyland - Score To A New Beginning ザ・フォール・オヴ・アン・エンパイア

 「スコア・トゥ・ア・ニュー・ビギニング」というタイトルでPRGみたいなモンだから三部作の最終章らしいけど、物語の中身までは知りません。ただ、音的にはきっと壮大で雄大でクサくてドラマティックでみんなで泣こう〜みたいな感じだろうということは想像しているので、きっとそういう壮大なファンタジーなんだろうとは思う、が、まぁ、そこはロックから離れてしまう世界なのであまり興味がないのです(笑)。いや、ファンタジー自体は英国ロックからしてもあることなので好きなんだけどね。

 さて、聴いてみると、だ、これでもかとばかりにクワイヤが鳴り響きみんなで大合唱したくなるようなメロディがあっちこっちに出てくる雄大なもの。もちろんサウンドもメタルっつうのか…、オーケストレーション中心にメタルでリズム取りながら、みたいな感じでその壮大さには感動的ですらある。あちこち調べてみると最早バンドという形態を成してはいないらしく、鍵盤奏者だけが残り、他のメンツは全て入れ替わっているというプロジェクト的バンドになってしまったようだ。ルカッセンみたいな人だが…、それでもこんだけ雄大で壮大なモノが出来上がるってのはよほどの才能だろうな。演奏する側も譜面とか見てやるんだろうから実力者だろうし。いや、凄い。四畳半の部屋でロックンロールを奏でるという文化からは大きくかけ離れた世界観だなぁ…。

 それはともかく、ジャケットのオタクさ加減からしてもわかるようなファンタジー世界と音世界を恐ろしいほどに構築した多分傑作として挙げられる作品でしょうな。個人的にはそろそろこのういったのに飽きてきた感じはあるけど(笑)。