GOTHIC METAL(ゴシックメタル)の館

 「ロック好きの行き着く先は…」にて連載されたゴシックメタルを纏めて…

■ Issa - Sign Of Angels (2010)

Sign Of Angels これでもか、と言わんばかりのオンナを売りに出してきた昨今のHM界だが、まんまと乗せられるのもまんざら悪くないと言うのも当たり外れが半々くらいだからかな。それにしてもまたこの大胆な売り方は見事。アルバムジャケットだけで目を引くし、それがアイドルやポップス的なものなら別に何とも思わないけど、どう見てもHR/HM系ってのがわかるのもこれまたしっかりプロダクションされてます。何となく手に取っちゃうジャケットでしょ?

 こないだリリースされたばかりの、っつうかデビューしたばかりのIssaというノルウェー出身の女性ボーカリストが単独でのデビュー「Sign Of Angels」。バックを務めているのが結構欧州メタル界の強者陣営ってことらしいが、自分的にはほとんど知らないのが何の意味もないという…(笑)。ま、シナジーやハロウインくらいか…。セリオン云々もあった気がするけど、詳しくないから響かない。でも、多分音にそういうのは出て来ているんだろうと思う。最初はジャケットと何となくの紹介文から良さそうかな〜って感じだったんだけど聴いてみるとこれがまたかなりポップな曲ばかりで、HMって感じはあんまりしない…っつうか音の作りはHMなんだけど、歌メロがしっかりしてるからさ。しかもIssaの歌声も決してHMじゃなくて、普通に歌の上手い歌手なのでしっかりしているのも要因。反面一本調子な部分もあって、アルバム丸ごと聴いていると軽いけどちょっと飽きる…っつうか何回も聴くか?って気はするな。

 ただこういうのって化けると面白いんだよな。ノルウェーだし、素地はあるから是非化けてほしいねぇ。歌も歌えるし。あ、どうにもアチコチのレビューを見ていると某メタル雑誌の評価に比べて納得出来るレベルじゃないという批判が多いけどさ、そんなの自分で聴いてから点数見ればいいのにね。点数なんて大嫌いだ。自分の耳と感で音を感じて判断すれば音楽ってのは楽しいもんだけどな、無駄な情報に惑わされては勿体無い♪んなこともあって、自分的にIssaは頑張ってね〜って思うワケさ。美貌を生かしても良いし、実力派をバックに迎えても良いし、堂々と歌っていてほしいね。



■ Sirenia - The 13th Floor

The 13th Floor どれだけの情報を網羅したら満足できる情報収集ができるのか…、いや〜、それもまた無理な話なのでやはり興味本位的に漁っている程度でしか情報は収集できないし、やりすぎるとこれもまた困る(笑)。んなことで、新たなる世界の情報はまとめて…ってなことをやってると結構大変で、そこにまだ知らないアルバムなんかも紹介されてくるもんだからまた広がってしまって…。う〜ん、とは言っても適度に聴いて楽しめる範囲を楽しむというところに留めておけば良いでしょ。

 いつの間にかリリースされていたノルウェー産ゴシックメタルバンド…にシンフォニックさが加わったとされてるシレニアの4枚目の作品「The 13th Floor」。これまでの北欧的なアルバムジャケットから一新されて如何にも、と言ったゴシック的なアルバムジャケットがこれまたよろしいのだが、今度もまたボーカルが変わっていて、かなり美人さんですね。やはり重要な要素です(笑)。そして歌もなかなかのもので、しっかりとファンを捉えて離さないどこか可愛らしい声を持っているので、今作はそういう意味でもかなりマル。更にアルバム収録の楽曲群がですね、これまたシンフォニックな世界をきっちりと広げているんだけど、歌モノにも近い感覚でかなり聴きやすいし、コーラスの使い方やオーケストレーションの攻め方なんてのも洗練されたもので、レベル高いです。相当に。だから初心者からマニアまで取っ付きやすいレベルで、結構求めてた世界かな。ただし、楽曲のインパクトがちょっと弱いのが問題。ま、それでも何回か聴けば十分に解消されるんだけどさ。

 なんつうか、正統派なゴシックメタルってこういうモンなんじゃないかなと思うんだよな。みんなあちこちに進んでいるんだけど、やっぱこういう音が正統派であってほしい。ヨーロッパ的な美学をモチーフとした美しさを基調としている、っていうのがあってほしいもん。速く重くなりました、ってんじゃなくってあくまでもストイックに耽美的に且つ取っ付きやすくっていうね。ワガママだけど、そういう世界こそがゴシックメタルじゃないかな、と。んで、このシレニアってバンドはその世界観を示してくれているような気がするんだよね。ここ最近レビューしたバンドもそうだけど、やっぱこんだけ聴いてると好みがうるさくなってくるんだよ、自分の(笑)。

 そんなことでリリースされたばかりの新作ながらかなり名盤的な金字塔とも言えるシレニアの「The 13th Floor」はメジャーどころを聴いた後に飛びついてみるのも一興の一枚です。



■ Sirenia - Nine Destinies and a Downfall

Nine Destinies and a Downfall  最近のメタル系の世界はやたらと深い…っつうのも多分、最近ってのが全然最近じゃなくてここ10年くらいの間のことを言っているからだと思うので、やたらとメタル系が進化した時代だったのかもしれないけどさ。えらく細分化されているので言葉的にもよくわからないし、他のレビューとか読んでても単語からしてよくわからんのだよな。メロスピとかシンフォ系とか言われてもさ、どういうのがメロディアスなスピードメタルでシンフォニックってどういうレベルのことを言うのか…、メランコリック調で云々なんて言われても甘ったるい感じなのか?みたいに言葉と音のニュアンスが上手くマッチしないからよくわからんのだよ。んで、適当に聴くハメになるんだけど、大体ジャケットで判断(笑)。まぁ、ハズレもあるが、いいでしょう、それなりに楽しめれば。

んで、結構当たったのがこのサイレニア?シレニア?のアルバム「Nine Destinies and a Downfall」。2007年にリリースされたフルアルバムでは3枚目らしいが、以前ここでも書いたトリスタニアっつうバンドのメンバーが脱退して出来上がったバンドらしい。そもそも1st「At Sixes and Sevens」や2nd「An Elixir for Existence」ではかなりデスヴォイスも使われていたシンフォニック度の高いバンドだったらしいが、このアルバム「Nine Destinies and a Downfall」では多少そういうのもあるけど、もっとソフトでメロディスでモニカ嬢の甘い声が全面に出ていて素晴らしくも美しい楽曲が並ぶ。確かにメタル的なバックのサウンド…歪んでいるし鍵盤も鳴ってて重い音作りなんだけど、どういうワケかあまりメタルに聞こえない、どっちかっつうと女性歌モノ、ドラマティックなスケールの大きいオーケストレーションを聴いているような感覚に陥る。多分メロディと歌声がしっかりしているからだろうと思うけど、非常に聴きやすい。もちろんテクはしっかりしているので聴かせるのも上手いんだろうけどね。

 アルバムジャケもなかなか北欧的でしょ?うん、ノルウェーのバンドらしい。この手のバンドで何枚もCD出せるってのはやっぱ実力もあるし認められているんだと思う。しかしノルウェーらしいんだろうね、こういう音ってのは。普通に出てくる哀愁のメロディが日本人好み。それとギタリストもしっかりと泣きを弾けるってのが良いかな(笑)。今度は1st2ndを聴いてみようかなと思うバンドです。



■ Tristania - World of Glass

World of Glass やはり寒い国の音楽は構築美に溢れているのか、ひたすらシンフォニックなサウンドを綺麗に奏でるバンドが目立つ。もちろんそういうのばっかりを漁っているからってのはあるが、それでも国を選んでアルバムを選んでいるワケではなく、それ系のバンドを探して漁っていたら北欧系が多かった、というだけなのだ。なんつうか、新たなるジャンルだったのでどうやって探してよいのかさっぱりわからなかったので、ネットであれこれと調べまくり、女性の歌声ばかりでデス声がほとんどなくて、シンフォニックで、なんて探していたんだけどそれだけでもこの二週間分のアルバムが発見されて、そのバンドのアルバム全てとか言ってたら実にとんでもないことになってしまうもんね。まぁ、大体入手して聴いてるんだけどさ。それにしても上手いバンドが多いねぇ。

 Tristania 「World of Glass」  ノルウェーのバンドで1998年デビュー、かな。今でももちろん活動していてこないだも「Illumination」という新作をリリースしたばかりらしいが、メンバーは結構入れ替わっているようだ。ただ、お目当ての歌姫は変わらず、かなり綺麗なお姉さんの部類に入るね。名前読めないんだよなぁ…Vibeke Steneっつうらしい。色々なアルバムあったんだけどやっぱ印象だけで「World of Glass」のアルバムに決定(笑)。いや、ジャケットだけじゃなくて歌声もかなり透き通った声で結構艶めかしいのでよろしい。音的には初期は結構ゴシックメタルそのものでオトコ声が多かったらしいけど作品毎に女性歌モンが増えてきてこの作品は結構顕著に女性歌モンが聴けるもの。音そのものは当然ゴシックメタルなんだけど、結構ゆったりとした大らかな作風が多くてシンフォニックなのはもちろん、意外とバイオリンが入ったりしてて綺麗な音してる。そしてもちろん上手いんだよな、これがまた。アレンジもしっかりと凝ってて展開していくので、結構好み。ちょっとオトコ声多すぎるけどさ。まぁ、どこか聖歌っぽい合唱が入ってきたりコーラスワークもあるので美味しいところはきちんと持ってる。ざっと聴いて調べてみると二枚目の「Beyond the Veil」あたりの評判も高くて、三枚目の「World of Glass」とはほとんど同じような路線の音だね。新作はさすがに聴いてないけど、まぁ、似たようなもんだろうな。ヨーロッパ的な様式美で、綺麗な展開なので何回か聴く予感。

 最近ず〜っとこんなの聴いてるからそろそろ古き良き音楽に戻ろうかな、と(笑)。ちょっと人間クサイのが聴きたくなってきたんだもん。とは言えまだまだDVDとか幾つか見たいのあるんだよなぁ…。うん、まぁ、適当に書きましょう(笑)。



■ Mortal Love - Forever Will Be Gone

Forever Will Be Gone  昨年夏頃にゴシックメタルにハマってしまった時に多種多様のバンドを聴きまくっていて、結構探したり漁ったり試してみたりとやったんだけどその時メモっていた中にあったけど聴くまでに至らなかった、いや、即座に手に入れられなかったという理由で後回しにしていたCDも非常に多くあって、その中のひとつがこのモータル・ラブというバンドだった。結構気になっていたので見つからなくって残念〜なんて思っていたんだけど、すっかり忘れてた(笑)。ま、そんなもんだ。だが、しっかり今回ふと見つけて聴いてみたのでよしとしよう。ホントはセカンドアルバム「I Have Lost」を聴きたかったんだけど、ま、いいか。

 2006年にリリースされたモータル・ラブの三枚目のアルバム「Forever Will Be Gone」。ちなみにこのバンドはノルウェー出身のバンド。うん、素晴らしくよろしい作品じゃないですか。1st、2ndがどのような作品なのかまだ知らないのでこの一作だけのレビューになっちゃうけど、ミドルテンポの楽曲でヘヴィーに彩られているものの、Cat嬢の甘い歌声がその陰鬱さをすべて帳消しにしているが故、何とも甘ったるくて美しいメタルというよりもオーケストレーションとううような感じで歪んだギターが鳴っている印象。なかなかこのアンバランスさが武器になるってのは難しいので、このバンドの個性としてしっかりと確立されたサウンドなんじゃないかな。もちっと起伏に富んだメロディがいくつかあると煌びやかになるというものだが、多分それがないのが良いんだろう。結構な傑作なんじゃないかな、この作品。

 男性コーラスによる美女と野獣的なコーラスは入ってくるんだけど、これくらいの声が一番音楽として合っているワケで、はい、デス声ではなくって囁いているようなコーラスなのでドラマティックさはかなり持っている。特に「While Everything Dies」なんつう曲ではストリングスによる楽曲のドラマティックさの中にヘヴィーなギターとアコースティックな要素が詰め込まれているので割とレベルの高い作品だろうね。いや、いいわ、このバンド。秋冬にぴったりの叙情性を持ってるので好み♪



■ Mortal Love - I Have Lost

I Have Lost  いつもの悪い癖で、女性ボーカル系がちょっと入ってしまうとちょっと一気に聴きたくなってしまうんだよねぇ(笑)。しかもやや萌え系な歌声だったってこともあって、そういえば以前から探していて見つからなかったのでそのままになっていたジャケットを最近手に入れて聴いているというバンドがあったのでここいらで登場です。

 2005年にリリースされたMortal Loveと言うノルウェー産のバンドのセカンドアルバム「I Have Lost」。これ見よがしのジャケットでしょ?まぁ、こういうセンスってのはわかるんで気になってしまうんだよね。もっともネットでも評判が結構良かったので聴いてみたいなぁ〜と。そんでさ、聴いてみたらこれはもう何と言うのか…、この手の歌声が好きな人には圧倒的に受けるだろう歌声。ルックスは見ての通りだから後は実際の歌声なワケだしね。あ、それと音そのもの。ゴシックメタルって程じゃないけど、結構陰鬱な重さとゆっくりとした曲調が多くてそこをあからさまに萌えなキャット嬢が縫って歌っていくという図式で、コーラスワークやシンフォニックさ加減も結構良く出来ているので面白いよね。ただ難点は飽きが来てしまうというトコロで…、まぁ、フックの利いた曲が少ないんだな。だからいくら萌えな感じでも50分とかのCDサイズは持たないっていうのか…。

 この手のバンドってそういう傾向に陥るパターンが多くってね、だからどれもこれも似たようなものとして一蹴されてしまうのだが、Mortal Loveも今はどうしているのだろう?新作を作っているようないないような…、もう2011年だし、なかなか難しいんだろうなぁ。そんなことを心配してしまうけど、この「I Have Lost」というアルバムはリラックスして流して聴いていると心地良く聴けるアルバムであるのは変わらない。硬質な音が特徴的で情熱は非常に感じられる音なので楽しみは楽しみ♪

I Have Lost - Mortal Love I Have Lost


■ Leaves' Eyes - Njord

Njord ヨーロッパでのゴシックメタル…、というかフィメールボイスメタルバンドの人気ってのはかなり加熱してきているようで、日本に飛び火することがどこまであるのか…、それとも既にシーンでは起きていることなのかよくわからんが、最近何となく少々過剰気味かのかな、と思うことがある。エピカが昨年にライブCDとスタジオ盤を出したというのもあったが、そういえばもっと凄かったのはリーヴス・アイズでして、昨年ライブCD&DVD「We Came with the Nothern Winds: En Saga」をリリースしながら秋口にはスタジオ新録アルバムをリリースしている。それがまたどれもこれもとんでもなくクォリティが高いというのも恐ろしい。

Leaves' Eyes - Njord Njord Leaves' Eyes - My Destiny - EP My Destiny -EP  

Njord」というスタジオアルバムとしては三枚目となる作品でして…この世界ではかなり独特の雰囲気を醸し出しているノルウェーとドイツの混合バンド。もうTheatre of Tragedyのリードシンガーだったと言うよりも独自の世界を創り上げたLeaves' Eyesのリブ・クリスティーンと言う方が早いのだろう。毎回何かとテーマを持ってオリジナリティある世界を繰り広げているが、今回の「Njord」は北欧神話での物語の一部ということらしい。まぁ、そのヘンまで深く調べる気もないんだが、神話をモチーフにした作品展開というのは継続的に音世界を創っていくにはやりやすい選択なので、それもありかなと。

 そして何と言っても音の方だが、単なるゴシックメタルではもちろん終わるはずがなく、華麗なるシンフォニックな世界を融合させた割とオリジナリティの強いメタル。かなりゴージャスなのでやりすぎじゃないか?と思う部分も多いけど、やっぱりここまでやられると心地良い。リブ・クリスティーンの歌声がかなり透明度の高いものなので出来上がる世界観なんだろう。その筋では「神盤」と言われるほどの名盤として君臨しているようだ。まぁ、どうなのかね、そこまではまだわからんのだが、かなり良質であることは確か。

 しかし冒頭からず〜っと捨て曲なしで飽きることのない曲展開で、見事なものだ。ただ、キャッチーで口ずさめる曲があるかと言われるとそれもまた少ないのも面白い。とにかくゴージャスな音作りで仕上がった作品という面が強いね。ただ、もの凄くゆとりを持っているし、自分達がどっちの方向性を目指しているのかもわかってやってるっつう感じあるからなぁ…。ハマりこめないけどさすが、というアルバムです。前作のライブ盤もかなり変わった取り組みだったけど、この「Njord」の布石…っつうかそれがあったからこそ「Njord」が生まれたんだろうというのがわかるのも面白いね。

 そういえば5曲目にはあのサイモン&ガーファンクルの「Scarborough Fair」が入ってるんだが、これまた見事な出来映えのカバーソングで原曲を損なわずにLeaves' Eyesのカラーをしっかりと出したナイスなアレンジ。



■ Leaves' Eyes - We Came with the Northern Winds: En Saga

We Came with the Nothern Winds: En Saga いわゆるゴシックメタルと呼ばれるカテゴライズも今や幅広い融合が果たされていて、既に進化の過程を目の当たりにしているという状況。嬢メタルとも呼ばれるゴシックメタルの中でもお姫様が歌うバンドってのが自分の好みだったんで、その辺しか追いかけていないんだけど、これもまた新たな領域に飛び火していく状態でして、どんなんがゴシックメタル?ってのを初心に戻って追求し直さないと何でもアリになってしまうのだ。それがここ最近聴いていた嬢メタルの新譜漁りの結果でして、うん、こんだけ色々と聴かないといけないのか?と云われると少々疑問でして(笑)、ま、それなりに楽しいんだけどさ、そもそもプログレの女性ボーカルモンが好きで始まった嬢メタルへの取り組みだったワケでして…、やっぱ荘厳なヨーロッパの威厳ってのがないとね。

Leaves' Eyes - En Saga I Belgia (Live) En Saga I Belgia (Live) リーヴズ・アイズ - ヴィンランド・サーガ ヴィンランド・サーガ

 ってなことを久々に思い出させてくれたのがリーブス・アイズの新しいアルバム「We Came with the Nothern Winds: En Saga」でした。ライブ盤なんで新曲があるワケじゃないんだけど、別に前のアルバムをそんなに聴き込んでいたワケじゃないから構わない。むしろライブの出来映えってのを知るきっかけにもなったんだが…。  CD2枚とDVD2枚がセットになった豪華な仕様でして、DVDは1枚がインタビュー映像集、字幕ないのでよくわからないんだが、ステージや写真で見るような素敵な印象とはかけ離れたおばちゃんだったのが残念…。そしてもう一枚のDVDではライブの模様を収録…、この頃、2007年10月のライブなので、丁度前作「Vinland Saga」のツアーってこともあって、着物風な衣装で歌い回るリブ・クリスティーン嬢が見れるものですな。もちろん映像付いてた方が感情移入できるのでDVDを見ることをお薦めします。

 んで、このライブ盤「We Came with the Nothern Winds: En Saga」を聴いてみて思うのは、もちろんテクニカルな面ではかなりレベル高くてしっかりとした演奏力を持ったバンド、というのとリブ・クリスティーン嬢の歌がかなり安定していて、非常〜に安心して聴ける歌い手だってことだ。ともすれば非常に弱々しい歌声にも聞こえるくらいいわゆる「萌え系」の声なんだけど、本質的にはかなりしっかりしたボーカリストってのがわかった。そして音世界についてももちろんアルバムに準拠しているんだけど、久々に聴いたので、あぁ、こういうのが純粋なゴシックメタルだな、と。とにかく美しい。メタル色はそれほど濃くなくって、壮大さを打ち出しているのと女性歌声のバランスが良い。

 ちょっと気になるのは音のミックスとかバランスで、ちょっとレンジ狭い感じなのでもっと派手な音作りの方がよかったんじゃないかなぁというのが残るけど、映像の美しさと音世界の楽しさはこれだけの豪華版として出すだけのことはある気合いの作品。相当美しい世界を楽しめて粗野な部分が一切見当たらないと云う秀作な「We Came with the Nothern Winds: En Saga」。ノルウェーってのもあるのかねぇ…。



■ Leaves' Eyes - Lovelorn

Lovelorn  耽美系ゴシックメタルバンド、と言われつつも聴いているとどんどん英国プログレッシブ女性ボーカルとの近似を感じてくるところがこのジャンルの面白さなのかもしれない。多分英国的なニュアンス、例えばメロウキャンドルで感じるような浮游感と耽美感というものがバックの音は相当ハードになっているものの同じ感覚で感じられるのがこのジャンルの特徴だ。そして何枚か聴いている中でかなりヒットな作品を本日は書いてみよう。

 ノルウェーの素敵な女性がメインとなったバンドで、正にメロウキャンドルと同じ世界観が繰り広げられているという面白さがツボにはまってしまって、相当気に入ったタイトルになってます。ジャケットも見ての通り、まぁ、悩ましいという程ではないけど、なかなかイケてるジャケットで、こういうセンスも嬉しいもんですな。この彼女、先日紹介したTheater of Tragedyのあの歌声の彼女で、バンドの音がどんどんと変わっていくことからバンドを脱退してこのLeaves' Eyesを結成したらしい。何でもダンナさんと組んでるとか…。そういうことなので、彼女の魅力が200%発揮される環境になったのも良い方向に働いたんだけど、それにも増してこのサウンドとメロディの美しさがこれまた素晴らしくて名盤と呼ばれるべきアイテムになっている。

 音的にはいつも通りではあるけれど、かなりポップな曲調が多くってストリングスも綺麗に鳴り響いていたりするので聴きやすいし、よく作られているのでメジャー向けの作品だと思う。歌については文句なしに手放しで喜べる声してるしメロディも良い。うん、なかなかオススメできるCDだね。何枚かアルバムが出ているみたいなのでそのうちあちこちの作品にも手出しをしてみようという気になるバンドのひとつ。



■ Midnattsol - Where Twilight Dwells

Where Twilight Dwells なんとなくアマゾンで新たなるものを検索してみる。そういえばフォーエヴァー・スレイブ新作出てたなぁ…と思いながら、フムフム…なんて見てたり…。するとアマゾンって「あなたへのオススメは」みたいなので似たようなのがズラズラ〜って紹介されてくるんだよね。あれって、結構バカにならなくて、類似品をよく見つけてくるんだよ。よく出来たプログラムというか検索ワードの埋め込みっつうか、作るの大変だろうなぁ〜とか、最初の登録時の条件って細かくて色々項目があるんだろうなぁとか全然余計なことを考えてしまうんだが(笑)。そんな中で、あ、このジャケット結構好みかも♪なんて思ったのがMidnattsolっつうバンドの新作。

 …だったんだけど新作はセカンドアルバム「Nordlys」で、その前に当然ファーストアルバムあるよな、と思いジャケット見ると、どこかで見たことあるような…、ん?Theatre of Tragedy〜Leave's Eyeのリブの実妹が歌う…、うん?どこかで見たような…、あ、思い出した…、papini嬢のトコロで紹介されててコメントしたような気がする…即ち持っているんじゃないか?とふと思い出して探してみました。んで、新作出たにもかかわらずファースト「Where Twilight Dwells」を再度聴き直しているという始末(笑)。いやぁ、まとめて似たようなモンを立て続けに聴いていたのでほとんど識別できてなかったんだよ、多分(笑)。いや、それではいかんのだけどね。

 んなことで2005年リリースのファーストアルバム「Where Twilight Dwells」。容姿については言わずもがな、ベースの女性が美しく…とかボーカルのカルメン嬢がこれもまた妖しくってな情報はともかく、ジャケットの北欧さ加減も当然よろしいという話ではあるが、やっぱり肝心の音が重要でしょう。まぁ、その前にノルウェーのバンドってことで期待は大きくなるしジャケも美しいし幻想的だし、バンド名は「真夜中の太陽」って意味でかなりオシャレなセンスだと思うし、かなり好みなんだよ、こういうの。

 アルバムの冒頭から聴くと、う〜ん、メロウキャンドル♪ 素晴らしいじゃないか〜と感動。しかもいわゆるゴシックメタルに分類されるんだろうけど、耽美さってのは結構少なくて、もちっと純粋にメタルっつうのかフォークテイストたっぷりというのか北欧のトラディショナルなメロディーラインを忠実になぞっているという感じが強くて面白い複合技が特徴的で、新たなる発見が多い。歌声はお姉さんそっくりでやっぱり艶っぽいところが男心をくすぐることは間違いない(笑)。別に熱唱するワケでもないんだけど、だから故にメロウキャンドル的に聞こえるんだが。音そのものは暗くないメタル色が強くて重くもなく、意外と疾走感たっぷりにツーバスがなっているけど邪魔にならないし、その辺は北欧のメロディが根底に流れているから自然と聴けるラインなんだろう。面白いのはメタルの中にフォークソングが思い切り被さっているような曲もあって、もの凄く不思議。こんな合体技が通じるモンなのか、と驚くようなアイディアで、それだけで結構衝撃的ですらある。メタルって言ったら語弊があるのかもしれないね、これ。ヴァイキング的思想が強いというのか音楽創作面ではかなりしっかりしているのでもっともっと成長していくだろうな。

 そう考えるとセカンドアルバム「Nordlys」も楽しみかな。いずれ聴いてみて詳細はまたその内に…。この辺の音ってどれもこれも似たようなモンでお腹いっぱいって感じだったけどふと突然聴くとやっぱりこういうのが好きな自分がいることを思い出す(笑)



■ Theatre of Tragedy - Forever Is the World

Forever Is the World あぁ…またゴシックメタルの波に飲まれて多数のアルバムレビューをひたすら書き連ねていくことになるのだが、何がどうしてこのジャンルに自分が引き込まれていくのか…、いや、多分うつらうつらと英国ロックの波に揺られるのと同じく、心地良い音世界がありそうなジャンルで、実際にあるんだけど、そいつを追い求めて浮遊しているような気がするんだよね。そんで、多少道を誤りながらも多数のバンドを聴いてみて進んでいるんだが…、Leaves' Eyesの世界を聴いてみてやはりちょっと違うなぁ〜と思ったトコロへ本家本元のTheatre of Tragedyも負けじと新作をリリース。

Theatre of Tragedy - Forever Is the World Forever Is the World

 「Forever Is the World」という作品で9枚目のアルバムとか。ボーカルは既にリブ・クリスティーンを排除しているので今はネル嬢というところなのだが、それはともかく…この新作「Forever Is the World」を聴いた感想は一言で言えば…「これぞゴシックメタル」というところだ。やっぱりね…キャリアが長いし、このジャンルの第一人者的バンドでもあるワケで、途中あっちこっちに音がブレたことはあるけど、「Forever Is the World」ではビシッと方向性を定めて、ブレることなく己の世界を貫いています。それこそが自分も含めたリスナーが求めていた硬派なゴシックメタルの世界観ってものだ。インダストリアルでもなくスピードメタルでもパワーメタルでもシンフォニックメタルでもなく、ゴシックメタル。これこそ確実にゴシックメタルの世界だもん。言葉で言い表しにくいんだけど、早いモノはなくってただひたすら美しくミドルテンポで楽曲の荘厳さと威厳を打ち出しながら、やはり悲劇的な印象を音で奏でて儚げな女性の歌声が天上に届くと言うような、ナルシストでしかあり得ないような音です(笑)。それがねぇ…、完璧なんだわ、この「Forever Is the World」ってのは。

 冒頭から最後まで全くブレることなく完全にゴシックメタルの世界観。ひたすら心と体を音に任せて流されるままに感じられるアルバムで…、そんなのって最近見つからないワケだからさ、自分的には「Forever Is the World」ってのは相当名盤なのです。世の中的には暗いアルバムなのかもしれないけど、秘めたる炎がジャケットにもあるようにメラメラと燃えているっつうのがよろしい。Theatre of Tragedyってここのところあんまり聴いてなかったけど、やっぱり見直した。この路線で進んでくれるなら非常に嬉しいところだが、面白いのでまた全アルバム聴き直そうかな…。



■ Theater of Tragedy - Velvet Darkness They Fear

Velvet Darkness They Fear 相変わらずゴシックメタル+女性ボーカルの世界を堪能しているのだが、いや、これほどまでにバンドが多くてしかもそれが世界各国に跨っているとは思わなかった。それぞれのお国柄が出てきている部分はあるんだろうけど、まだそこまで研究できてない新たなジャンルです。色々あるんだなぁと感心しながら日夜聴き倒している状況ですな。

 何とも官能的なジャケットなことでしょう。色合いが紫基準ってのももちろんアルバムタイトルに引っ掛けてのことなんだろうけどどこか高貴な雰囲気が漂っていてよろしいし、素敵に官能的な女性像が何かを象徴しているようで素晴らしい。それだけで聴いてみたいという気になるんだけど、どうもその筋ではこのアルバム「Velvet Darkness They Fear」は相当の名盤らくて、割と有名なようですな。そんなことでもちろん聴いてみました。ノルウェー産のバンドだそうです。

 う〜ん、歌声はリブという女性の奏でる少々弱々しくもエンジェルボイスとも言えるような透き通った声が軽やかに流れてくるが、一方ではラムシュタインのような低音デス声も絡んで来るという明暗の両方が存在するバンドで、楽曲的にはとうぜん歪みまくったギターが中心になり、鍵盤やストリングスでヨーロッパ的な展開を施すもの。しかし早い展開の曲があるわけではなく、どちらかというと重くてドロドロっとした曲調が多いかな。ただドラマティックな面が多いワケじゃなくってあくまでも普通にゴシックメタルを追求していっただけのような感触も受けるが、それはまだまだ自分が未熟だからね。このアルバムだけなのか、音的なドラマティックらしさはそれほどでもないけど、セリフなどによるドラマ仕立てでアルバムが進んでいる面もあり、そういう意味では男女の歌声が非常に効果を発揮していて面白味がある。多分あと数回聴くとハマるのかな、という感じで結構良さそう。アレンジ面での展開が激しくあるわけじゃないのが過去のバンドとの違いかな。それでもしっかりヨーロッパ的ゴシックな雰囲気は出ていてやっぱりよくできてるな…。多分気に入る作品になると思う。



■ Theatre of Tragedy - Storm

ストーム いくつかのゴシックメタルがあれども、本家本元のゴシックメタルと言えば元祖が強い、と言うかシーンを牽引していた面の強いTheatre of Tragedyを出さないワケにもいかないかな、なんて思ったワケでしてね…、いや、まだきちんと全部聴きこなしたワケじゃないんですよ。途中エレクトリックな世界に進んでしまったっていうのは多少聴いたことあったので知ってるけど、それも悪くないな…ってのもあったし、それ以前のをちょくちょく聴いてたから。だけどね、今回は2000年的にどうなんだろ?ってのもあって2006年にリリースされたアルバムとしては6枚目となる作品「ストーム」を引っ張ってみました。これさ、結構評判良かったんだよね、原点回帰か?ってのもあって。

 「ストーム」ではそれまでの看板ボーカルだったリブ姫が脱退してネル姫つう女性がフロントに立って歌っている初めての作品なワケです。そしてリブ嬢に挑戦するかのように昔のゴシックな路線でネル嬢を歌わせているんですね。そういう理由もあってかTheatre of Tragedyとしては原点に戻った作品として受け入れられたアルバムになったんだけど、それどころかかなりパワーアップしているんじゃないのか?昔から上手く奏でていた陰鬱で硬質且つ美しくも暗い世界に更に星空の輝きを与えたような作品に仕上がっていて、どの曲もハイレベルなアレンジと楽曲構成。そこにやや可愛い素振りを感じさせるネル嬢の歌声を轟かせて仕上がってる。見事なまでのトーンの演出だったが故にボーカルの交代が逆にバンドに進化をもたらしたとも言える傑作になってる。この手のバンドって飽きられやすいからこういう進化は好まれる傾向が強いかな。

 途中自分たちが奏でてきたエレクトリックの世界の影響も良い意味で反映されてきていて、独自の世界観を打ち出しているのが「Exile」と言う曲だったり…と勝手に思ってるけどさ。ま、アレンジ面での影響かな。後はねぇ…、やっぱタイトル曲「ストーム」とか凄く良いわ。やっぱり底力のあるバンドなんだなぁとつくづく思うもん。全作揃えて最初から聞いていくと「ストーム」でハッと戻ってくるので面白い。U2もそんな感じだったけどさ、Theatre of Tragedyもマイナーながらも実力派なバンドですよ。

Storm - Theatre of Tragedy Storm



■ The Sins of Thy Beloved - Perpetual Desolation

Perpetual Desolation  まだまだ続きますフィメールゴシック系メタル作品。こんなのばっかで実にユーロ何カ国を跨ぐように聴いているってのが結構驚きなんだけど、様式美=ゴシックってのはやっぱヨーロッパならではのものだろうし、だから故に気に入ってるんだろうから、国が異なるのはある種必然的かもね。でも凄いのはそういうのがそれぞれしっかりと情報として入ってくることだな。多分それぞれの国ではトップの部類に属するバンドばかりだろうからヘンな駄作を聴かなくて済むのも遠い異国の情報の取捨選択のおかげかもしれないね。特に日本盤が出ているバンドなんて絶対そういうのばっかだろうし。

 そんなことで今度はノルウェーから出てきたThe Sins of Thy Belovedというバンド。もちろん実態がどういうものなのかよく知らないけど(笑)、アルバム二枚でボーカルのお姉ちゃんは脱退、そして三枚目ではゲストで参加してるっつうよくわかんない関係(笑)。で、この「Perpetual Desolation」ってのが二枚目のアルバムで、ジャケット見るとノルウェーってこういう印象なのか?って思うくらいにイメージの違うジャケットでさ、ハリウッド映画の宣伝ポスター見てるみたいなんだが、それとは反した内容ってのもこれまた愉し。

 このバンドの売り…何と言ってもボーカルのアニタ嬢のあえぎ声が入ってるってこと(笑)。いや、マジにそんなの入ってるので聴いてると驚く。まぁ、オトコ的には聴いてて悪いもんじゃないからポイント高くなるよな(笑)。それで差別化してるんだから凄い…、それで音的なインパクト残るもん。まぁ、実際サウンドの方も、結構シンフォニックで、良いのはバイオリンが入ってるので凄く艶めかしく聞こえるし、やっぱバイオリンって好きだなぁ…、人間的でただ単にメタリックに迫ってくるのではなくってソロパートがバイオリンだったりするので凄く聴きやすい。うん、ポイント高いよ、これは。マイナス点はね、やっぱデス声が半分以上主役なのでちょっと邪魔だなぁ…、と。ただ女性ボーカルのアニタ嬢の声ってのは凄くか弱くて線が細いのでボーカル的にはかなり厳しいだろ、って感じ。もちろん叙情的な曲には凄くハマってるんで悪くない。正に男女ボーカルの美女と野獣路線がしっかりと出せている作品で音的にもかなり作り込まれているし、一曲一曲がドラマチックなのもよろしい。ファーストアルバム「Lake of Sorrow」の方も基本的に同じ作りとのことなので結構期待できるのかな。