GOTHIC METAL(ゴシックメタル)の館

 「ロック好きの行き着く先は…」にて連載されたゴシックメタルを纏めて…

■ All Ends - All Ends

オール・エンズ デラックス・エディション(DVD付)   情報を纏めて取ることが多いのでちょっと古めのものとまだ出ていないモノとが混在してくる…。特に最近のバンドについては追いかけていないから余計にそうなるし…。ってなことで、ちょっと前のリリースなので新譜という括りで紹介するワケではないんだけれど、まぁ、それでも新しい方でしょう(笑)。

All Ends - All Endsオール・エンズ

 「オール・エンズ デラックス・エディション(DVD付)

 オール・エンズというスウェーデン出身の女性ボーカルを二人配したバンド…ってことで気になってしまってね。女性ボーカル二人って云ったらもちろんメロウキャンドルを思い起こすのが本能でして、決してそこからメタルでの女性ボーカル二人なんていうのは直ぐには思い当たらないけど、もちろんここで出てくるんだからメタルです(笑)。まぁ、ゴシックメタルではないけれど、普通にハードロックヘヴィメタルという括りに入るサウンドの中に女性ボーカル二人です。

 初っ端から聴いていると結構盛り上がるし、二人の女性ボーカルというのも上手く使いこなしていてインパクトもある感じで、割とよろしい。躍動感溢れる楽曲がオンパレードで続き、抑揚に富んだ作品じゃないか?ってなくらいに面白い。そしてバラードともなるとゴシックメタル風味な世界観もきっちりと創り出してくれるので、超メジャーという感じじゃないけど良い感じに仕上がっている。特に思い切り歌い上げている「Walk Away」なんてのは聴いていて心地良い。バックがどうの、という次元でもなくってこれだけ歌えたら快感だろうなぁ〜ってな感じです(笑)。

 これからの活動と取り組みによっては化ける可能性も持っていたりするので、ちょっと面白そう。ただ、楽曲がワンパターン化している感じもあるからその辺のレベルをどこまで上げていけるかかな。疾走感も躍動感もかなりマルなので楽しみだね。


■ Draconian - Turning Season Within

Turning Season Within   タワレココーナー展開にあれこれと一緒に置いてあったのでついでにと思って聴いてみたのが、スウェーデンのドゥーム系男女ボーカルメタルゴシックバンド、とかいう触れ込みのドラコニアンっつうバンド。う〜ん、名前だけはゴシックにハマっていた時に見たことあるけどオトコのデス声なんていらん、と思って全然手を出していなかったバンドだったので、これを機にちょろっと手を出してみるかと挑戦。

 こないだリリースされた新作「Turning Season Within」が4枚目?なのかな。これくらいってのはバンドにとっても成熟してくる頃なので大体3枚目とか4枚目ってのは名作になることが多いんだけど、このバンドもこの例に漏れずかなり出来映えは良いとの評が多い。とすると、これで自分に合わなきゃやっぱダメってことだよなぁと考えながら聴いてみると…、おぉぉ〜、初っ端から美しいお姉ちゃんの歌声で、しかも正にエンジェルボイスに相応しい透明感ではないか。しかも曲調は正しくヨーロッパの香りがプンプン漂ってきて、やはりこういうのがこの手の音楽の醍醐味だねぇ〜なんて舞い上がっていたらいきなりデス声が(笑)。まぁ、随分とこういう声にも慣れてきたんだけど人様にオススメするようなものではないのは確かだ。…とは云え、作品的に聴くとこの男女の対比っつうのはその世界を紡ぎ出すには良い手法なんだろうな。世界観はよく表れているし、その世界に入ってしまえば見事にその美しさに惹かれてしまう、そんなサウンドの完成度の高さは圧倒的かもしれない。

 ヨーロッパ的荘厳さと様式美、そして決して勢いやパワーだけではない芸術性が底辺に走っているので、優雅にアルバムが聴けるのが好きだね。例えそれがこういうドゥーム系バンドだとしてもその世界観は変わらない、正に大陸的なゆとりがないと出てこない音。そしてこのドラコニアンというバンドもスウェーデンでの位置付けはどんなものなのか知らないけど、レベルはかなり高いでしょう。テクニック面ではなくって音の作りがね。

 …とは言ってもやっぱりあのデス声は好きじゃないなぁ…。世界観は良いんだけどねぇ…、とちょっと残念な気持ちもあってまた違う世界に飛び込むのだろう、きっと(笑)。



■ Opeth - Watershed

ウォーターシェッド  ゴシックメタルの荘厳な世界に美しき女性の歌声が絡むという耽美的な世界が好きなんだけど、どうしても似たような世界の、というかきっちりと分けられているモノでもないので、周辺の音楽も聴かざるを得ないというか、聴いてみないとわからないっつうトコあって、予備知識がないから何でも片っ端から聴くという状態で、ここ十数年の間に進化してきたメタル系の世界をおさらいしていかないといけないのか…、いや、別にメタル好きっつうワケでもないからほっときゃいいんだけど、何かスポッとハマり込める音に出会えたら凄く嬉しいからさ。

 2008年のつい先日リリースされたばかりの「ウォーターシェッド」で元々はデスメタルというカテゴリに属していたらしい、そして今ではプログレッシヴデスメタルっつう括りになるらしいオーペスっつうバンド…、スウェーデンのバンドらしいんだが、もう10年選手の大物になりつつあるバンド。前からちらちらと名前を見かけたバンドではあるんだけど、なかなか手を出す機会がなかったのでシカトしてたんだが、先日ふとしたことで手に入れたので、聴いてみました。そもそもこのアルバムしか聴いてないから過去からの繋がりがわかんないんだけど、どうなんだろうね。前作「ゴースト・レヴァリーズ」が名盤だった、という評論は見かけるけど、今作「ウォーターシェッド」もかなりの代物として書かれている…。

 アルバム全体を聴いてみて…、凄く対極性、二極性が高いバンドで、静と動とかがはっきりしていてメリハリが凄い。アルバム全体でもそうだし、一曲ごとの楽曲の構成にしてもそうだし歌でもそう。歌なんかはデス声もあったりするけど普通に歌っているのもあって…、デス声のトコはバックもうるさいんだけど、普通の時もうるさかったりデス声でバックが割とうるさくなかったりと色々と相反する使い方をしている感じ。そして楽曲も根っこがしっかりしているからか、メロディアスに静かに聴かせるところはしっかりとしっとりと聴かせてくれる力量があって、うるさくツーバスになるところはしっかりとそれでバンドの演奏力を見せつけてくれる。

 凄いなぁと思うのは一曲目とかそれ以降も曲のところどころで出てくるんだけど、アコースティックギターの使い方。ロック的なんだけど音色と言い音使いと言い、かなりしっかりと弾けているのでツボにはまる。ギターソロにしても流暢なメロディを奏でているので美しい。そしてこの一曲目では女性ボーカルとのデュエットも聴けてかな〜り良い感じのバンドじゃない?って思っていられた…。二曲目の途中までそういうバンドかと思っていたらキターッ!って感じにツーバスドコドコデス声で(笑)。ま、いいけどさ。それでも単調じゃないから曲に飽きることはないし、一辺倒で畳みかけてくるようなこともないから音楽してます。その分昔からのファンはダメなんだろうな…。

 基本的に美しいバンドだな。でも邪悪なモノも入ってくるっつう…、そして歌モノもあったりと器用で面白い。プログレらしいと言われてるみたいだけど、そうかね?ドラマティックではあるがプログレっつうのとは違うだろ、と若くはないロック好きは言ってしまうんだが…。多分4曲目がどことなく「クリムゾン・キングの宮殿」に似ているからかな…(笑)。しかしギターソロとか泣きのフレーズとか見せ方が巧いなぁ…。ちょっと追いかけてみたくなるバンドかも。



■ Therion - Gothic Kabblah

ゴシック・カバラ   スウェーデンのメタル層って結構厚いんだなぁと色々聴いていると思う。フィンランドがメタル層が非常に分厚いってのは割と有名で、スウェーデンもイングヴェイとかいるから北欧的なサウンドでは割とメジャーなんだろうと思うけどね。その分オランダとかってのはそんなに印象なかったけど、まぁ、この十数年でかなり進化してきたんだろう。日本は逆に退化したっつうか国内からアジアの代表へと進んでしまったから西洋で迎えられるような音楽をできるバンドってのは非常に少なくなってしまったのは残念。やっぱ言葉の問題が大きかったのかなぁ。でもアジアだって言葉違うけどな。ま、周りが日本語を理解するようになっているっつうのは大きいけど。

 話は逸れたけど、スウェーデンのこちらも既に大御所になりつつあるセリオンっつうシンフォニックメタルバンドの新作「ゴシック・カバラ」、つっても昨年のリリースなので今更って感じもするんだけど聴いたのがついこないだなんだからまあいいじゃないか。同じようなバンド形式で音色もそれほど違わずやっているのにこうまで違うかと思うくらいに暗さがない。軽い、とも云えるかも。女性歌モンも割と中心に添えていて、一見ゴシックメタル的な要素は持ち得ているんだけど、もっと軽やかに女性ボーカルが使われていて、荘厳さや美しさっつうのとはかなり異なっていて、どっちかっつうとポップスに近い…っつうとファンに怒られるんだけど、そんくらいのイメージ。もちろんバンドはメタルなのでそんなことはないんだけどさ、聴いているとそう思うだもん。せっかくアルバムタイトルが「ゴシック・カバラ」なのにゴシックらしさが少ないってのも、ね。

 しかしギターソロとか凄く気持ち良いな。正にイングヴェイみたいなああいうトリッキーなフレーズがガシガシ出てくるのでハッとするんだけど、やっぱメタルってのはそうこなきゃ(笑)。それと過去の作品群をほとんど知らないで書いているのでアレだけど、合唱中心のバンドでもあったのかな?コーラスチームがしっかりと和声で組まれていてそういう美しさは見事なものだけど、あまりにも綺麗すぎてサラリと聴けてしまう(笑)。

 う〜ん、聴きやすいけどどこまで聴くかなぁ…。美しいとかはあるけど引っ掛かりが少ないので、ちょっとわからん。誰にでも聴けるという取っ付きやすさはあるけど、自分的には何かが足りない。こういうの判別するって難しいわ。だってさ、やっぱ10枚以上アルバムをリリースしているってことはそれだけのバンドだろうから、たまたまこの作品が綺麗すぎるというだけなのかもしれないしね。うん、ま、前作「LEMURIA/SIRIUS B」とかその前の「シークレット・オブ・ザ・ルーンズ」とかつまみ食いしてみますかね。



■ Arch Enemy - Rise of the Tyrant

Rise of the Tyrant  …とある時にふとCD屋を散策していて、普段は大して気にもしないメタルのコーナーでそういえばナイトウィッシュの新作…とか思い付いて眺めているとえらく綺麗なお姉ちゃんが真っ黒な衣装に包まれてバックにはこれまた屈強そうなオトコが立ち並んでいるというバンドフォトに巡り会い、これはもしかしてまたフィメールゴシックメタルバンドかね?と思って見てみると「Arch Enemy」と書かれている。そういえばラウドパークにも来るし、確かトリのマリマンの前だったような…、それなりに売れてるんだろうなぁ、なんて思ってたら試聴機が…。聴いてみた。どこが女ボーカルなんだ?いないじゃないか。数曲聴いてみるけど全然女の子らしい声は聞かれないので、きっとCDが間違って入っているのだろう、とか思っていたが…、どうもおかしい。

 同じく置いてあった雑誌Burrnを見ると表紙にはプリティなお姉ちゃんが写っていてしかもインタビューも受けているじゃないか。やっぱりちゃんとバンドにいるよなぁ…と不思議に思っていたのだが。もしかして、このオンナ、デス声で歌ってるのか?なんていう考えられない事が頭をよぎった…、果たして再度試聴機で聴いてみると、おぉ…確かにオンナかもしれん…とどこか納得できないところで納得できたような…。気になってしょうがないから入手して聴いてみる。う〜ん、そうか、そうだよなぁ…そしてネット出れコレ見るとやっぱりそういうことか。オンナがこんなデス声してスラッシュメタルみたいなスピードメタルを歌っているのか…、何てこった、世の中狂ってるぜ〜ってのが最初の印象。だが、やはりオンナボーカル好きには聴いてみないといけないハードルだと思いしっかり何回か聴くのだ。

 う〜む…、バックの音の構築美は実に素晴らしくテクニックもとんでもなく流暢なもので、さすがにヨーロッパのバンド、どうやらスウェーデン出身のバンドらしいのでどうしても頭にイングヴェイがよぎるのだが、それに匹敵するくらいのギターテクニックと楽曲の美しさ。そこにオンナボーカルならさぞや綺麗だったことだろうが、そこはデス声をがなり立てるアンジェラ嬢の歌、っつうか叫び声で、なかなか不思議。さすがに不慣れなので何曲か聴いていると疲れてくるんだけど、まぁ、音だけ聴いている分には結構イケるなぁと。それが良い悪いっつう判断にまでは進めないんだけど、かなりレベル高いんだろうな、きっと。しかし常識を覆されたバンドだ…。こんなに綺麗なお姉ちゃんがデス声でがなり立ててるって…ライブ見たら結構ショックだろうなぁ。YouTubeで見ただけでもショックだったもん。